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メトロポリタン美術館展へ

行ってきました。東京・六本木の国立新美術館。
今回はメトロポリタン美術館展です。

アメリカ・ニューヨークのセントラル・パークに位置し、「The Met(ザ・メット)」の愛称で親しまれている美術館です。

今回はMETの改修工事を機に、ヨーローパ部門の名画65点が一挙に来日します。大阪と東京を巡回。日本でこんなに長く鑑賞を楽しめるなんて、まさしく奇跡ですね。

鑑賞してした印象を、さっそく以下にまとめました。
(なお、画像はメトロポリタン美術館公式サイトおよびメトロポリタン美術館展公式サイトから引用させていただきました。)

1 信仰とルネサンス

15世紀のテンペラ画から油彩画まで、あわせて鑑賞できます。

ラファエロ・サンツィオ(サンティ)「ゲッセマネの祈り」

ルネサンスの巨匠、ラファエロの作品。「大公の聖母」でもおなじみです。
優美な作風は、なんら変わることはありません。

エル・グレコ「羊飼いの礼拝」

大胆な筆づかいなのに、表情は繊細。光の表現そのものが神々しい。
自由な筆さばきに、鑑賞する側もすがすがしさを感じます。


2 絶対主義と啓蒙主義の時代

17世紀のヨーロッパ・絶対主義の時代から、啓蒙主義の台頭までをめぐります。

カラヴァッジョ「音楽家たち」

合奏情景の再現にとどまらない、けだるい表情が魅力的。絵画左端にさりげなくキューピットがいます!愛のメッセージですね。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール「女占い師」

占い師の老婆と、青年の対比がおもしろいです。盗みを働く周りの女性たちが絶妙に配置されています。

レンブラント・ファン・レイン「フローラ」

明るい作風のレンブラント。妻の肖像画かどうかは、本人のみぞ知るところでしょうか。

ヨハネス・フェルメール「信仰の寓意」

初来日のフェルメール。静謐な風俗画で有名ですが、今回はめずらしく宗教画です。構図の特徴にフェルメールらしさがあらわれています。

ペーテル・パウル・ルーベンス「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」

ルーベンスといえば、「フランダースの犬」に出てくる少年ネロがどうしてもみたいと願った絵を描いた画家としてもおなじみ。
目の前に立つと、絵画の大きさに圧倒されます。およそ2m四方。真ん中に描かれた聖母の印象は、どこまでも伸びやかで優しいです。

3 革命と人々のための芸術

19世紀以降は近代化の波が押し寄せる時代。
普遍的な理想美から、身近で自由な作風へ変化していきます。

ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」

透き通る運河と、高く澄んだ空が印象的。まるで青の使い手のようです。
水彩画のような透明感はさすが。

ポール・セザンヌ「リンゴと洋ナシのある静物」

机が傾いているのに構図は安定しています。果物の存在感は圧巻。

フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲く果樹園」

南仏アルル時代の作品。色鮮やかな花と、新緑が生き生きと描かれています。力強いタッチながら、穏やかな空気を感じとれます。

ポール・ゴーギャン「タヒチの風景」

ゴーギャンもまた、南国の光を求めてタヒチへ。奥行きのある構図と、色あざやかな筆づかいは、まさしく地上の楽園。

クロード・モネ「睡蓮」

睡蓮そのものと、水面に映し出された虚構とが一体化しています。筆づかいからも画家の気迫を感じます。
描かれたのは、睡蓮の姿を借りた青の抽象画。

まとめ

一日で、ヨーロッパ西洋絵画史500年をたどることができます。とくに印象的だった作品12点を紹介させていただきました。

わたしの個人的な感想が主ですが、アートを身近に感じていただくきっかけになると幸いです。

だれでも一度は耳にしたことがある画家の作品が、数多く網羅されています。美術館がはじめての方にもオススメです。

2022年5月30日(月)まで開幕中。
当日券もありますが、オンラインでの事前購入をお勧めいたします。

絵画の陳列も工夫されていて、雰囲気もすてきです。一時の非日常。
アート鑑賞を通して、リフレッシュできますように。

2022-04-30 石川 恵里紗


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