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年に一度のMRI検査、命の重みと向き合う

私は年に一度、頭のMRI検査を受けています。小さな脳動脈瘤が見つかり、経過観察をつづけているからです。検査自体は横になるだけで済みますが、「変化なし」の結果を確認するまで毎回ハラハラしています。

「脳動脈瘤がありますねえ」

4,5年前にさかのぼります。激しい頭痛で検査を受けたところ、思いがけず脳動脈瘤が発見されました。まさに青天の霹靂。すぐに大学病院で詳しい診察を受けましたが、さいわい治療の必要がなく、経過観察の形になりました。

それ以来、年に一度の検査は欠かせません。何度も受けていて慣れたはずなのに、検査のたびに緊張します。

MRI検査を受けたことがある方なら想像しやすいと思いますが、検査中は大きな音が鳴り続けます。耳栓を渡されますが、正直ほとんど効果はありません。耳元で竹を割るような音や、地面のアスファルトを掘りこすような音が断続的に続きます。

検査中は、頭を動かしてはいけません。そのため、頭は左右から重りで固定されます。その状態で唾液が溜まると、「飲み込んでいいのか」と迷いつつ、静かにゴクリと飲み込みます。

検査中の10分間は、何もできない不思議な時間です。まるで映画の中で訪れる空白のような感覚。もしタイムスリップや瞬間移動ができるなら、きっとこんな装置だろうと想像します。

と同時に思考があちこちを巡ります。頭痛で病院に運ばれたあの日や、過去の検査を受けた記憶がふとよみがえります。

やがて、「カチャ」とドアが開く音が聞こえました。あれほど爆音に囲まれていたのに、不思議とドアを開ける音だけは遠くからでもはっきり聞こえてきます。

こうして今年の検査も無事に終了しました。

医師から「動脈瘤に変化はありません」と伝えられると、ようやく胸をなでおろします。また一年後、再訪する予定となりました。

ちなみに私の場合、動脈瘤が破裂する確率は約0.3%と言われています。交通事故に遭う確率と同じくらいと聞き、気になって調べてみました。2020年のデータでは、交通事故に遭う確率は約0.2%(ちょこっと共済のHP参照)だそうです。たしかに近い数字ですね。

不安ばかりに目を向けても意味がありません。大切なことは、できるかぎり予防に努めることと、今を大事に生きること!

病院を後にしながら、今年も無事に一年を過ごせたことへの感謝がこみあげてきました。たまたま見つかった動脈瘤ですが、この経験をきっかけに「一病息災」の心構えで、これからも前向きに日々を重ねていきたいと思います。

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