僕はスナーキー・パピーは同世代の若者が集まったお友達バンドではないところが面白いと思っている。マイケル・リーグを始めとしたノーステキサス大学の仲間たちが中心ではあるのだが、何人かそれとは異なるメンバーが在籍している。
そのひとりが鍵盤奏者のボビー・スパークスだ。スナーキー・パピーの鍵盤奏者といえば、コリー・ヘンリーやショーン・マーティンの印象もあるかもしれないが、ボビー・スパークスはその二人以上のキャリアと実力といっても過言ではない。彼こそがダラスの音楽シーンのレジェンドなのだから。例えば、マイケル・リーグとショーン・マーティンはボビーのことをこう語っている。
何といってもボビー・スパークスはロイ・ハーグローヴのプロジェクトとして知られるRHファクターのオリジナル・メンバーであり、RHファクター誕生のきっかけを作った人物だ。しかも、カーク・フランクリンのバンド・メンバーを務めたこともあり、スナーキー・パピーのメンバーでもある。そんなボビーがひと声かければ、ソロ・アルバムにこんな敏腕ミュージシャンが集結してしまう。
ちなみに現在のスナーキー・パピーのライブでの最大の見せ場はどう考えてもボビー・スパークスによるクラヴィネットでのソロだ。ボビーは年長だが、スナーキー・パピーの最強のソロイストであり、今や不可欠のメンバーなのだ。
ここではスナーキー・パピー『Empire Central』をきっかけにダラスを掘るシリーズの第3弾として、ボビー・スパークスのインタビューをお送りする。ここにはダラスのシーンを読み解くためのヒントが散りばめられている。
取材・編集:柳樂光隆 | 協力:COREPORT
◉スナーキー・パピーとの関係
――マイケル・リーグとダラスのシーンで出会ったときの話を聞かせてください。
――スナーキー・パピーに加入したのはどんな経緯ですか?
――スナーキー・パピーの最初期の2008年の『Bring Us The Bright』からあなたの名前はありますよね。このアルバムではRobert "Sput" Searightがプロデュースをしていました。あなたはRobert "Sput" Searightと関係が深いですよね。
◉ロイ・ハーグローヴとRHファクター
――スナーキー・パピーのメンバーの中ではJason "JT" Thomasとは特に長い関係なのではないかと思います。
――ちょうど名前が出たのでRoy Hargroveの話も聞かせてもらえますか?
――その一緒に演奏したっていうのはRH Factorのことですよね。あなたはRHファクターのメンバーでもあります。
――結成の時点でバーナード・ライトがいたんですね。
――あなたはMarcus Millerと沢山共演しています。あなたとMarcusを繋いだのはMarcusとJamaican Catsの仲間だったBernard Wrightだったりしますか?
――今、名前が出たKirk Franklinとはどんなところから交流が始まり、強い関係を築いたのでしょうか?