short review is a diary:Xhosa Cole - On A Modern Genius vol.1 (2,700字)
イギリスのジャズの中でもいわゆる「UKジャズ」とは異なる文脈のミュージシャンだってもちろん存在する。
◉デビュー作:『K(no)w Them, K(no)w Us』(2021)
僕が知ったのは2021年のデビュー作『K(no)w Them, K(no)w Us』。イギリスの若手のジャズミュージシャンでこんなストレートアヘッドなジャズをやる人が出てきたのか、と思い、うれしかった。2010年代末のイギリスのジャズが盛り上がり始めたころだと、主要キャストが若かったこともあり、どうしてもジャズをそのままやると線が細い印象があった。でも、コサ・コールにはそのままジャズをやっても個性が感じられた。ウディー・ショウあたりを感じさせる作編曲も良かった。
調べてみると、彼はバーミンガム生まれで、そのままバーミンガムのコミュニティで育った。おそらく今もバーミンガムで活動しているっぽい。つまり、彼はロンドンのコミュニティではないところで活動しているジャズミュージシャンなのだ。近年、世界的に話題になっているUKジャズはイギリスのジャズというよりはロンドンのジャズ・シーンの話なので、コサ・コールのキャラクターはそんな土地柄もあるのかもしれない。
◉先人と辿るディープなアフリカン・ディアスポラ探求:『Ibeji』(2022)
かと思ったら、2022年の『Ibeji』は全く異なるコンセプトで、(詳しくはわからないがイギリス在住の)アフリカ系のパーカッション奏者とのコラボ・アルバムで、アフリカン・ディアスポラの探求がテーマだと思われる。
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