親しき仲にも勝利点行動あり。兄弟3人でテラミスティカ
●これがやつの本当の力ってやつか…!
さて、前回の記事で散々「テラミスティカは2人プレイでも面白いよ!」と語ってきましたが、
本日、私と弟と従兄弟の3人でプレイしました。
いやぁぁぁ絡みがすごいですね、とても面白かったです。
2人でも面白いけど、複数人でも面白い。
別に私は多人数テラミスティカを否定したい訳ではありません。
2人プレイのときは、相手がパスさえしてしまえば、残りは自分一人なので心ゆくまでアクションができましたが、3人の場合は誰かが最初にパスを宣言しても、自分以外にもう1人のプレイヤーが残っています。魔力パワーアクションの早取りの関係から「いつパスするのか」という判断も重要になってきて、なかなか悩ましくて面白い。
話に聞いていた多人数宗教レースですが、こちらもばちばちで面白かったです。特に、現時点でトップを走ってるヤツに1位をとらせたらさすがにまずい!という思惑から、私がレースにヒートアップすると「ビリになってたまるか!」と残りのプレイヤーもヒートアップする。司祭コマの行方が更に重要になってきます。他のプレイヤーが侵入することのできない(都市を作ることで手に入る鍵でのみ入ることができる)一番奥の神殿に入った時はえも言われぬ達成感に胸が満たされましたね。これで1位確定だ、と。あとは2人で2位と3位の争いをしててね、と。高見の見物を決め込むことができる訳です。無論、逆をされると「きー!」となるんですけどね笑
共有ボード上での絡みは言わずもがなです。弟と従兄弟にとっては初めてのテラミスティカだったので、そこまで熾烈な地政学的陣取りなどは発生しませんでしたが、それでも「隣接するとお互いうまうま」ということは十二分に分かったらしく、2回目のプレイではばちばちに睨み合うレベルで隣接する初期配置でゲームがスタートしました。
さて、これでやっと「2人プレイではない」=「多人数テラミスティカ」=「本来のテラミスティカ」が遊べた訳でして、ここから語られる感想こそがテラミスティカのちゃんとした私的レビューということなのでしょうが、たくさん頭使ったのと、たくさん文章書いたのとで、少し疲れてしまったのと、散々語られ尽くされているであろうテラミスティカのレビューという記事において自分が自分のフィーリングから語るべきこととは何なのかがまだ掴めていないのとで、一旦それは保留にしておきます。(何なら前回語り尽くしてしまった感はあります笑)
●親しき仲だからこそ
と言う訳で、今回はちょっと目線を変えて。
私は常々「何を遊ぶか」よりも「誰と遊ぶか」の方が重要だと公言していました。どれだけ面白いゲームでもプレイ中にぐちぐち言ってきたり、こちらのアクションに余計なアドバイスを差し挟んできたり、或いは小馬鹿にしてきたり、途中で勝負を投げてバランスを傾けるような妨害をしてきたり、そんな人と遊ぶとせっかくのボードゲームが台無しです。反対に、どれだけ微妙なゲームでも、気心の知れた相手なら、なんならその微妙さを話のネタに盛り上がることだってできます。ボドゲって、一種のコミュニケーションツールとしての側面もあると思うんですよね。ルールやシステムという媒体、勝敗というスパイス、そして盤面の状況に関して語られる直接的な会話によって成立するコミュニケーション。
それが、特に遠慮が介在しない弟や従兄弟と遊ぶとどうなるか。
それは弟がビリで、従兄弟が首位をひた走り、私がその中間で彼の背中を追っている最中に置きました。
弟「おい、あいつ(私)ビリにしたいから協力してくれよ!」
トップの独走を阻むために2位と3位が結託する展開はよく聞きますが、謎です。しかし従兄弟としては背中を追いかける脅威が遠ざかりますし、かねてから弟によく懐いていたので、当然の如くそれに乗っかります。テラミスティカは盤面の状況によっては利益を分け合う相手を選択できるゲームです。私の建物に隣接する建物には何も手を付けず、2人で隣接しあう地域を重点的に強化開発するという妙な共同戦線が生まれます。困る私、ほくそ笑む弟、嬉しそうな従兄弟。あぁ、ボドゲって本来こういう種類の遊び方でもあるんだな、と謎の感動さえ覚えました。
無論これはビリと首位だからこそできた協力関係だと普通の人間は推察するかもしれませんが、そういう利害を度外視できるのが兄弟ってやつです。弟の言葉をボドゲカフェの相席でやってみてください。まず顰蹙を買うか無視されるかのどっちかです。そして、勝敗は別として——そしてコミュニケーションツールとしての側面を重視するとして、楽しいのはどちらでしょうか。少なくとも私は楽しかったです。
ボドゲは勝つか負けるかではありません。
いかに勝つのか。
いかに負けるのか。
道中に様々なドラマが起こり得るからこそ、その結果が勝ちであれ負けであれ、かけがえのない体験を生むのです。
まぁ、結果的に私は推し種族のカオスマジシャンによる暴力的な恩恵タイルの効果で宗教レースでぶっちぎり、点数を刻むべく居住コマを量産し、なんなら最長ボーナスも獲得して1位になったんですけどね。これぞ、親しき仲にも勝利点行動あり。2人の細々とした共同戦線は微妙に互いの足を引っ張り合っていたのかもしれません。いかに勝つのか。私ならいかなる妨害を受けようとも長兄として圧倒的な力を誇示して勝利をもぎ取らねばならないのです。(1回戦目は普通に負けたのは秘密です)
「もうアルケミストなんて~使わないよ絶対~」と叫びながら悔しがる弟の姿を思い出しながらお酒でも飲もうと思います笑
なんて冗談は置いておいて、兄弟や親しい友人とやるボドゲほど面白いものはありません。
もしも楽しいボドゲがしたいなら、私と弟の関係くらいざっくばらんな感じの友人を、まずはボドゲ沼に沈めましょう。親しき仲にも勝利点行動あり。それこそが、あなたの人生の勝利点につながる、のかもしれません。沼に誘いたい友人が見つかったら、是非ご連絡ください、頑張って力になります。
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