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新譜おすすめ 202410

10月に聴いた新譜(今年リリース分)のおすすめを紹介〜 

今月は大漁!どれを選ぶか迷った!
ささ!それではどぞ〜!


Mk.gee - rockman

米国出身のインディーロックシンガーソングライター Omar ApolloやFred Againもプロデュースしている若き実力派だ 今年出た新譜で知っている人も多いだろう

Hey hey heyこれはイイ!80年代の風吹いとるぞおおおお〜!Vocalといい、コーラスといい、ギターの音といい、まんまPOLICEやんけ〜!!!!(どストライク)
Mk.geeの今年出したアルバムも素晴らしかったので、期待して聴いたらこの良さよ…!

Little Image - strange friends

ネットで出会った米国Dallasのトリオが作り出すオルタナティブ・ロック!

おお…!これはスマッシュ・ヒットや!
最近のFOALSみたいなノリの良さもありいいぞ!2000年代のニューレイヴ感あっていい!これからのアルバムに大期待だ!

Sad Night Dynamite - welcome the night

英国グラストンベリー出身のオルタナティブヒップホップデュオ ★Gorillaz公認★

この独特な音楽性は映画音楽から影響を受けているという、異色のキャリアだ
本作もヒップホップではあるが多分にオルタナティブであり、普段ヒップホップ聴かない人にも聴きやすいと思うぞ!なんてったってGolliraz公認だから!

映像もこだわりがあっておもしろい、映画好きな方、是非

Dua Saleh − i should call them

米国ミネアポリス出身のR&Bシンガー/俳優

エレクトロなR&Bでお!これはなんか新鮮でいいぞ!と思った クラブ的で、それでいて大人の落ち着きがあってええの…わしはこのくらいBPMのゆっくりしたR&Bが好きじゃよ

Butter Bath - lemon juice

シドニーを拠点とするソロアーティスト

今季ぶっちぎりイチオシのアーティストだ、すごくPOPでゆるい感が気持ちいい、アルバムが出たらたちまち人気が出そうだと見込んでいる
toro y moiとか同郷のtame impalaに似ていると言及している人もいたね 是非一聴していただきたい注目株だ

T.Evann - fill the void

ロンドンを活動拠点とするシンガーソングライター

Funkやサイケなども混ぜ込みながら作られたゆるい音楽、Lo-Fiなザラっとした感触、これはいいぞ!これまたtoro y moiぽいな、このアクトと上記のアクトは似てる…ふむ…

Artemas - how could u love somebody like me?

まあ有名なんで紹介はあんまりいらんか…英国オクスフォードシャー出身のソングライター 今年2枚アルバムが出とりますがそちらも爆裂人気ですのう

ちょっとゴスっぽいシングルがリリースされていたので良き良き こういうちょっと翳りのある雰囲気のPOPってUKっぽいよなあ…と思いつつチョイス

Hope Tala - jumping the gun

ロンドン出身シンガーソングライター
前作シングルはオバマ大統領のお気に入りの曲に入ったこともある 名門ケンブリッジ大のオファーを蹴って音楽の道を志した才媛である

Lauryn Hill, Erykah Badu, D' Angeloに影響を受けたと語っているだけあって、SilkyでSmoothで落ち着いたR&Bの雰囲気だ
来年フルアルバムがリリース予定ということで期待大で待っておる…

Haich Ber Na - the everyday

ロンドンを拠点として活動するアーティスト
本作はデビューアルバムになる

上質なPOPアルバムだ…オルタナティブで、わしの好きなロンドンのPOPがそこにはある 是非聴いてみてくれ…特に2番の曲がええよ…
もっと人気出ても良さそうに思うのだが…もったいないのう…

Rejjie Snow - peace 2 da world

ダブリン出身のラッパー

メロディが入ってるオルタナティブなヒップホップが好きなのだ…(こんなこと言うとガチ勢に怒られちゃうかもだけど…)ごはんのおかず的な意味で、ちょこっと入ってると嬉しいのである…本作はそのおかず的なR&B部分の塩梅が非常に良いのである…

彼が小規模なHiphop文化のダブリン出身で、George MichaelやQUEENを聴いて育ったということも影響しているのかもしれないが、聴いていてなんか懐かしい感じがするのだ 不思議だね


Geordie Greep - the new sound

みんな大好きBlack midiのフロントマンの初ソロ・アルバムや…
Black midi時代のプログレッシブで実験的な音楽を受け継ぎつつも、本作は彼の音楽に対する教養の深さが滲み出る渋いアルバムに仕上がっている

マンボ(ラテン音楽の一種)・ミーツ・フュージョン、特にスティーリー・ダンの影響受けすぎでにやにやしちゃうね 歌い方もモロにドナルド・フェイゲンを意識してるからの…

インタビューを読むと、本作は手練れのブラジリアン・ミュージシャンと”セッション”したということからも、black midi時代の勢いのあるバンドの初期衝動の音とは一線を画している black midiというバンドでこのアルバムを出さなかった理由も…

なぜラテン音楽なのか、という問いに幼少期の彼の母の影響であると解く、最初は好きではなかったけど、聴き慣れていくうちに好きになっていったとのこと ルーツとなる音楽ってそういうものだよね

Black midiの熱狂的なファンからすると予想外な音楽(new sound)だったかもしれないが、わしは本作が好きだぬ 彼がいい意味で好き勝手に自分の音楽を作れている気がするのだ バンドでつくる音楽のことを忘れたわけじゃないと思うけど、今は自分の世界を表現したい気分なんだろうね 
来年の来日も存分に賑わしてくれることだろう

Tyler, The Creator - chromakopia

アフリカンなビートとかけ声のようなコーラスが印象的なTylerの新譜 

アフリカンなリズムから、ブラバンのような規則性を経て現代的なHiphopへと移行していく それはシームレスで違和感もなく、スムーズで洗練されている これは芸術やね…

アフリカのプリミティブな音楽は祝祭を思わせるとの声もあるが、普段R&B〜Hiphopを聴く層でワールドミュージックも聴きなれているリスナーは少ないため、Tylerのメインファン層であるリスナーにはフレッシュに聴こえているのかも…なるほどね Tyler自身もその効果を狙ったものであろう

そして歌詞がすごい…わしは感動した…30歳を過ぎたTylerが、自分の過去を振り返り、将来をどのように生きていくべきか自問自答している 

そこにあるのは夢を追い求めるだけのきらきらした青年ではなく、人生における重要なターニングポイントをなかなか決断できずにいる、ありふれたごく普通の中年男性の悩む姿であった そのことを赤裸々にラップするTyler、素晴らしい Tylerは夢見る青年から大人になったんよ…ひとはいつまでも子どものままではいられないんや…

Tylerの母が”孫がほしいの、一人でいいのよ…お願い…”と彼に話しかけるシーン
Tylerの髪にはいつの間にか白髪が混ざり、だんだん太ってきた

周りの友達には子どもが生まれたけど、俺が持ってるのは車と変なスーツだけ 別れてしまった元カノのことを引きずってる…
夢見る音楽を追いかけ続けるべきなのか、それともキャリアを諦め家庭を持つべきなのか…

アルバムの最後の曲で、まだ家庭を持つ心構えができてない、俺は自分のやりたいことを続けて、輝き続けるだけ…と歌うTyler 彼自身が自分の人生をどう生きたいか、こころの中で葛藤していることが伝わってくる

時間は永遠じゃない、今までTylerがこつこつ積み上げてきた唯一無二の”彼のrap”を、自身のプライベートのために一旦ストップすべきなのだろうか…夢をあきらめきれないという気持ちもよく分かる、でも母親も期待して待ってる、ファンだって期待して待ってる、きらきらした夢と自分を取り囲む現実の板挟みになったTylerの気持ち…現代を生きる人間の持つ普遍的な悩みに切り込んだ素晴らしい傑作であるよ…


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