道徳心に訴えかけて異論を止めるアプローチとその対処
ある議題を話そうとすると、それを話題に出しづらくなるような断言で発言を止めることがある。もちろん現実でこんな話題をだしたり公開討論なんてしないけど、インターネットでは過激なやり取りが生まれがちだ。
それで道徳的じゃないかもしれないからといってその話題について考えをやめてしまうことがある。
でも、自分の利益を守るためにその発言が道徳ではないかのように感じさせて抑圧するアプローチもあることを覚えていてほしい。
今日は対処法の具体例を示す。
「移民に反対するのは差別主義者だ」
回答:
複数の議論を意図的に混同させて、最も過激な言説を想定しそれを道徳的に反論し反論を封じていると感じます。一般にそのように主張される方と対話をするのは難しいのですが、私の主張を言葉にすると
私たちは今いる合法的な移民を排除する意図はありません。
新規に入る移民の人数を制限し、不法移民を法律に則り対応するべきだと主張しています。
合法的な移民は日本と契約して入国した人たちです。彼らは適切に扱われるべきだと思います。
不法移民は、違法なので雇用者にとって不利な立場で働きます。これは労働者の平均賃金を押し下げる方向に働きます。また、違法行為です。
3年後に日本に来る予定の移民の数を現時点で制限することは、誰に対しての差別行為でもありません。彼らは単に移住する国を変えたり、国に残ったりするでしょう。将来の個人の選択が少し変わるだけです。
多すぎる移民は、労働者の過剰供給を招き、長期的には平均賃金を下げる方向に働きます。
つまり、移民をどんどん入れていくことは、今現在日本で働いている移民の待遇を悪化させる方向に働くのです。
僕は僕らが良い暮らしをしたいのと同じように、今いる移民の方にも良い暮らしをしてほしいし、経済的な安定を確保してほしいです。
これは差別的な発言から最も遠いところにあるものです。
「世代間対立を煽るな」
我々は同じ船に乗っています。
現在70歳であっても、平均寿命を考えると、15年から20年は医療を受け続けることになります。
現在30代の私は、50年程度医療福祉制度を使い続けることになるでしょう。
亡くなるまで、何らかの医療を受ける権利を確保していたいのは、私もあなたも同じです。
現状の社会保障制度を全く改変せずに維持するためには、さらなる社会保険料の増額、増税、国債発行が必要になります。
これは長期的には全ての世代を貧しくするものです。
貧しさが一定数を超えると、社会に不満を持つ人が爆発的に増加します。
枯れた草木が増えて、火事が起こりやすくなった山のように、大雨のために決壊直前の堤防のように、そうした社会では僅かな衝撃で劇的な社会の不安定化が起きるでしょう。
高齢者は治安が悪化し、電気や水道や交通のインフラが機能しなくなった状況では最も脆弱な人たちだと思います。
そうした混乱の中で多くの人たちが亡くなっていくのを見たくはないです。
実際、ソ連崩壊後のロシア、経済危機後のギリシャ、コロナ前の米国では国家の機能不全に伴う死亡率の上昇がみられています。
僕は国家の機能不全を防ぎたいし、死亡率を高めたくはないです。
増税、国債発行、社会保険料の増額によって現状の社会保障制度を維持しようとすれば、10年後、15年後に国家の危機をもたらす様な貧しさが到来すると推測しています。なぜならこの時期に日本人の死亡数はピークになりますが、死亡前1年の医療費は高額になります。この時期に30%が未婚の就職氷河期世代の独身男性も平均寿命を迎えますが、65歳だと医療費はさらに高額になります。
ですから僕はこのタイミングで現状の医療・社会保障制度に致命的な負担がかかると推定します。社会保障制度が突然破綻することも懸念しないといけません。
今なら我々は言葉を交え、制度を修正することで対立を緩めることができます。
我々が世代間対立について言及するのは、煽りたいわけではなく、緩めたいのです。
将来起こるであろう決壊を防ぐために、堤防を頑丈にしておきたいのです。力を貸してもらえませんか。
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