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新プロダクト・外国人向けデジタルIDウォレット「GPASS」が実現させる未来とは

こんにちは!ELEMENTS採用広報担当です。

今回は、先日正式リリースを迎えた新プロダクト「GPASS」(ジーパス)について、プロダクトマネージャー・近藤さんと事業責任者・藤井さんにインタビュー!

「GPASS」とはいったいどんなプロダクト?というところはもちろん、開発に至った背景や、この新しいプロダクトが実現させる未来についてなど、たっぷりと語ってもらいました。

<インタビュイー>
・近藤さん(2017年入社)/「GPASS」プロダクトマネージャー ※写真左
・藤井さん(2023年入社)/「GPASS」事業責任者 ※写真右

日本で暮らす外国人の情報活用をスマートにするアプリ「GPASS」

─ まずは簡単にお二人の自己紹介と、この「GPASS」における業務や役割について教えてください。
近藤:2017年に入社し、これまでいろいろなプロダクトに関わりながら、昨年GPASSチームに参画しました。ここではプロダクトマネージャーとして、プロダクト戦略・事業戦略の検討からプロダクトロードマップの策定、仕様策定、そして実際に利用されている事業者様とコミュニケーションをとりながら要件整理などを行っています。

藤井:私は2023年のジョイン当初からGPASSを担当しています。事業責任者として、プロダクト戦略・事業戦略の立案から、その戦略の実現に向けた協業関係の開拓、販路拡大による収益確保、予算管理などに取り組んでいます。

─ では、その「GPASS」について、どのようなプロダクトなのかをお聞かせいただけますか。
藤井:GPASSは、日本で暮らす外国人が自らの情報を格納し、必要に応じてオンライン提示をすることで、雇用されたり、サービスを受けたりしやすくするアプリケーションです。このGPASSの構想をもってまず私たちが着手したのが、外国人の雇用において企業が抱える課題の解決です。企業が外国人労働者を雇用するためには法令で特別な管理が求められますが、それを漏れなくスムーズにやりきることのできるソリューションとして、2023年8月に試用版をリリースしました。そして今日まで多くのノウハウを蓄えながら、派遣管理と労務管理の機能を持つシステム(エスアイ・システム社「STAFF EXPRESS」)とGPASSを接続させたバージョンのリリースに至りました。

─ 具体的にはどう活用され、どのようなことが可能になるのでしょうか?
藤井:GPASSは在留カードでeKYC(オンライン本人確認)を行い、その有効性をチェックしていくことで、最新時点の在留資格や就労資格情報を保有し続けます。そして、その情報を外国人を雇用する企業に提供することにより、企業はその人の就労資格や労働時間制限を正当に判断し、不法就労助長罪のリスクが無いシフト配置や出勤コントロールを行うことができる。一方、外国人は不正を働く人との不利な競争に晒されることなく雇用され、自らが不法就労を犯してしまうリスクが排除された環境で主体的に働くことができる。そういったフェアな共生社会を実現させます。
さらにこの先はこうした雇用の面での活用に限定せず、生活の中の幅広いユースケースにおいて、外国人が自らの身元や属性情報をスマートに活用できるソリューションとして成長させていきたいと考えています。

─ 「GPASS」によって実現できる未来が、まだまだあるわけですね。
近藤:外国の方が日本で働く・暮らすうえで、日本人と同じようにサービスを受けているか?と言ったら実はそうではないんですね。まず、日本人と外国人とではさまざまなシーンにおける“審査”のプロセスが異なります。日本人と違って外国の方にだけ求められる特有の審査があり、手間が多いうえにその審査内容も厳しいもの。さらに審査が通ったとしてもローン上限額が低い可能性があるなど、仮に日本人以上に信頼性が高い人であっても、真っ当に評価されていない現状があります。
また、何かのサービスを受けるにしても対応しているのは日本語のみだったり、日本人にしかわからないUIだったりと、やはり然るべき恩恵が受け取れないこともめずらしくありません。GPASSは、このような外国人の「暮らし」における社会課題も解決していきます。

藤井:実際に、銀行口座開設には住所と電話番号が必要、その住所を持つには銀行口座や電話番号が、そして携帯電話を契約するには銀行口座が…といった三つ巴状態が実態としてあり、外国籍の方は非常に限られた選択肢から日本国内での生活基盤を構築していかなければなりません。でも国籍という粗い情報だけではなく、在留資格、在留期限、保有資格、所属組織など情報の解像度を上げて信用が評価されれば、当人が主体的に利用したいサービスを選択できる道を用意することもできるようになりますよね。これは企業側にとっても大きなメリットで、本来であれば顧客となりうる支払い能力や在留期間を持つ外国人であるにも関わらず、詳細な評価ができないが故に一律対象外としてしまっていた層へもサービス提供の幅を広げることができます。

近藤:このように、たとえば仕事を探すとき、銀行口座を開設するときなど、法律に基づいた登録行為や確認プロセスを我々が肩代わりすることで、外国人が十分に必要なサービスを受けることができるようになる。GPASSは、そんなスーパーアプリとして活用の場を広げていこうとしています。


一人ひとりの情報を適切に取り扱い、マイノリティが存在しない社会を

─ では次に「GPASS」の開発に至った背景を教えてください。

藤井:いま日本では、労働人口減少を背景に外国人が増加の一途を辿っています。しかし一方で先ほど挙げたように、その外国人が働き、暮らしていくさまざまな局面で、日本の社会機能との健全な共生関係を築きづらいという課題が浮き彫りになりつつあります。この課題は、eKYCや顔認証といったELEMENTSの得意とする技術を活かしたプラットフォームで解消できるものであること。そしてそれが、“社会と個人の関係を再構築する”というより大きなテーマに挑戦する道筋にもなることから、GPASSの開発がスタートしました。

近藤:このGPASSは、目的によって適切な個人情報を提供することで、一人ひとりがスムーズにサービスを受けられるようにするものなので、そのときどきで必要となる情報が異なります。例えば「働く」という観点でいえば在留カードの情報だったり、「ローンを組む」であればお給料の情報だったりと、求められるものはさまざま。つまりこのソリューションを通して「ユーザーの特性に応じた情報管理」を踏まえたサービスの提案をしているんですね。これまでの世の中のサービスは、一律一辺倒で管理しようとするがゆえにマイノリティを重視しないものになっていたのではないでしょうか。一人ひとりに対して適切なユーザー体験を提供できる世界には、ユーザーをグループ化することがないためマイノリティが存在しません。そんな社会を実現させようとしているGPASSは、まさに価値観を変える可能性を秘めたプロダクトだと感じています。

─ この「GPASS」の構想があがったときには、どのように感じましたか?
近藤:何か面倒なことを簡単にするような効率向上型サービスはたくさんありますが、GPASSはその前段ともなる、日々の暮らしにおける課題そのものを解決するものです。さらにそれは個人の問題にとどまらず、社会、そして日本全体にかかわっているということもあり、より社会課題解決にかかわることができるプロダクトだと感じました。

藤井:私も同じように、まず外国人と日本社会が抱える目の前の課題に対して、即効性のある解決策を提供できるところに価値を見出しました。そして、本来一人ひとりに違いがある個人と社会との関係性を再定義していくという普遍的課題に対しても、具体性を伴った仮説検証を重ねることによってあるべき指針を模索し、世の中に提起していける。そういった所に仕事としての奥深さを感じたことを覚えています。また一方で、このプロダクトを提供していくうえでは卓越した倫理観が求められるため、そういった意味での緊張を伴う責任も感じました。

─ いよいよ正式リリースとなったわけですが、ユーザー方の手に渡るにあたって、これまでこだわってきたことがあれば教えてください。
近藤:
GPASSのユーザは日本人ではなく、さまざまな国籍や言語を背景に持つ外国の方なので、誰でも簡単に、直感的に利用できるように極力シンプルなUXにすることにこだわっています。その国特有の当たり前やユニバーサルデザインがあり、その背景によって少しずつユーザビリティも変わってくることが想定されるため、しっかりと文章を読み込まないと次のアクションがわからないUIや、何をして良いかが直観的にわからないような動線の多いつくりは避ける、といった感じですね。
具体的には、そのユーザのステータスによって次のアクションを示すよう動的にUIを変えており、基本的にユーザの動線を1本道にするようにしています。

藤井:UXをシンプルにすることは本当に大切ですよね。言語の壁のある外国人の方々にあまねく使っていただけるサービスになるために、情報の構造を整理することはもちろん、当人にとって必要な手続きや情報に優先順位をつけて丁寧に提示していくことにこだわっています。

─ そんなお二人のこだわりは、チーム全体の共通認識でもあるのでしょうか。
藤井:そうですね。実はUXにこだわるあまり、今回のリリースではこれまで作っていたものをバックエンド含めほぼ全て新しいものに作り変えています。GPASSチームの開発陣は、このようなプロダクト全体に関わる大きな方針転換も迷わず相談できる寛容性と、それに技術知識で応えられる専門性とを兼ね備えた、頼れるメンバーばかりです。

外国人の暮らしにとって“当たり前”となるプロダクトを目指して

─ このプロダクトの成長、目指す未来についてお聞かせください。
近藤:取り組んでいる課題がとても大きなテーマなので、すぐに解決できるとは考えていませんが、一歩ずつ階段をのぼりながら救える人を増やしていければと。最終的には外国の方が日本で働く・暮らす際に「まずはGPASSのインストールだよね」と、当たり前のように利用するスーパーアプリを目指しています。

藤井:そういったソリューションが社会に必要であるという確信はあって、それに我々はいち早くチャレンジしているわけです。課題先進国である日本の課題解決を糧として、GPASSがデジタルIDウォレット型の個人情報利活用スキームの先行事例になることを目指しています。もしその形が社会にフィットするものであれば他の領域でも追随事例を生んで、大きく世の中を変える力になっていくのではないでしょうか。

近藤:また、GPASSはIdPやデジタルIDウォレットの考え方に基づいた仕組みで作られていますが、ここに関してはまだ発展途上。この領域で先行しているEUの事例も、チームで学びながら成長につなげていきたいと考えています。

藤井:プロダクトを成長させるには、将来性や想いをチームで共通認識にしていくことも大切ですよね。目の前の仕事がどんな理想に向かっているかを、責任者としてチームと自分自身に問うていくことは、反省も込めて常に心掛けたいところです。

─ では最後に「こんな人はELEMENTSにピッタリ!」といったメンバー像があったら教えてください。
近藤:ELEMENTSのプロダクトは“B to B to C”で社会課題解決までの時間軸が長いため、「長期的な視点で一歩ずつプロダクトを育てていきたい!」というマインドの方はピッタリだと思います。

藤井:GPASSは、5年後にはELEMENTSの価値観を体現する代表的なプロダクトに成長していくことを目指しています。一方で、目の前の課題を解決しながら半年後の成功も一つひとつ勝ち取っていかなければいけません。求められるのは、将来に向けて多方面に渡る不確定性をイメージできる想像力と、それでも今やるべきことを選択して集中していくエッセンシャルな精神性。そんな未開拓地を進む探検家のような仕事を「面白い」と感じることができる方は大歓迎です!

「GPASS」というプロダクトによって、またひとつ新たな道を切り拓いたELEMENTS。

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