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アーユルヴェーダと蜂蜜

アーユルヴェーダでは蜂蜜をどのように捉えているか

蜂蜜のラサ


アーユルヴェーダでは蜂蜜をmadhuマドゥと言います。
カファが唯一摂取してもいい甘味は蜂蜜と言われています。

蜂蜜はマドゥラサ( madhura rasa )と 渋味( ashaya anu rasa)のラサを持っています。

ラサ― 甘い+渋い(サブテイスト)
ヴィパカ― 甘い
ヴィルヤ― 熱い

白砂糖、ココナッツシュガー、メープルシロップ、ステビアなどは効力は冷性ですが、生の蜂蜜はグナは重いですがヴィルヤは熱性、乾燥と渋味の効力があるため物質を軽くすることができるため、消化に軽い性質です。

アーユルヴェーダでは6つのラサを治療に用います。

ラサについてまだ知らない方はアグニの記事の中で、お読みください。

https://note.com/elements5/n/neaefa248b1dd

6つの中のひとつのラサである甘味は冷たく、重く、油っぽいグナを持つカッファに所属しているため、落ち着きや構築する性質がありヴァータとピッタを鎮静します。
しかしカファを悪化させるほとんどのスイーツは冷たくて重いので、食事の最後に食べると消化器系の火を弱めます。

蜂蜜は暑い時期に使用すると、ピッタを悪化させる可能性があります。

蜂蜜の利点

アーユルヴェーダの古典に記されている蜂蜜の作用

オージャスがありながらも脂肪を落とすため、スシュルタ・サンヒターでは蜂蜜はナイフで削るように脂肪を削ぎ落とすと記されています。

つまり蜂蜜は甘くても例外的な作用があると言うことです。
またアシュタンガ・フリダヤでは、蜂蜜の治療や使用法は次のように説明されています。

蜂蜜は目と視力にとても良い。
喉の渇きを癒す。
カパを溶かす。
毒の影響を減らす。
しゃっくりを止める。
膀胱炎などの尿路障害、気管支喘息、咳、下痢、吐き気の嘔吐に非常に役立つ。
傷を浄化し癒す。
巣箱から新たに集められた蜂蜜は体重を増やし、穏やかな下剤になる。
貯蔵されている古い蜂蜜は、脂肪の代謝を助け、カパをこすり落とす。
通常、減量には古い蜂蜜が勧められる。

※オージャスとは

九十九座さんのサイトでの蜂蜜の成分

ビタミン類は、ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・葉酸・ニコチン酸・パントテン酸・ビオチン・C・K・コリンなどが約10種類。
ミネラルは27種類、22種類のアミノ酸、80種類の天然酵素、10種類以上の有機酸など、なんと150種類以上の栄養成分が含まれ、非常にバランスが良く、まさにスーパーフードです。

九十九座さんのサイト


アーユルヴェーダの蜂蜜の使い方

アーユルヴェーダでは蜂蜜は薬の一種になるため、一度に摂取する量は小さじ1/2杯から2杯までです。

食後に消化促進


小さじ1/2のトリカトゥと小さじ1の蜂蜜を混ぜ合わせペーストを作ります。
直接ペーストを摂取するか温水(40℃以下)を加えて飲みます。

呼吸のために

呼吸器系の不快感を和らげ、深い呼吸をサポートする
カルダモンひとつまみ、岩塩ひとつまみ、ギー小さじ1、生の蜂蜜小さじ1/2を混ぜ合わせ、摂取します。


呼吸器系をきれいにするお茶


新鮮なルッコラの葉と乾燥したトゥルシーを一緒に浸して、蜂蜜を加えます。

フェイスパック


はちみつとひよこ豆の粉のフェイパックは蜂蜜の持つ酵素の様々なビタミンとひよこ豆の優しいスクラブで滑らかでトーンアップした肌が期待できます。

女性と男性の両方の若返りのためのポーション


アーユルヴェーダでは生殖機能の若返りや強壮剤をVajikaranaと言います。
新鮮なタマネギの汁、生姜の汁、ギーに蜂蜜を加えます。

加熱された蜂蜜について


ビーヘルスコミュニティのリポート

ビーヘルスコミュニティhttps://bee-health.extension.org/  によれば、
ミツバチの健康に問題を与える問題と健康を改善するためのUSDA-ARS地域全体のプログラムを一般の人々と共有するため、新しい研究を続けテストをしてきました。

過度の熱は、蜂蜜の栄養価に悪影響を与える可能性があります。

37°Cまで加熱すると蜂蜜の200近くの成分が失われます。

蜂蜜は抗菌性の成分があり、40°Cまで加熱すると、重要な酵素であるインベルターゼが破壊されるそうです。
蜂蜜を液化するためには、35-40°C(95-104°F)で加熱するのが最善です。 過熱を避けるために、温度は40°C(104°F)を超えてはなりません。 40℃を超えると蜂蜜は消化しにくい非常に粘着性のある接着剤のような物質になります。

最近は、ハチミツを加熱することでAGEs(糖化最終化合物)が生成され、このAGEsが糖尿病性血管合併症、動脈硬化を発症しやすくなることが分かっています。非加熱のままなら造血や血管強化の作用があるのに、わざわざ加熱して健康リスクを高めるAGEsを増やすのもナンセンスのように思います。

アーユルヴェーダの古代の経典でも蜂蜜を加熱してはいけないことが記されていました


アーユルヴェーダでは、加熱された蜂蜜は、消化中に毒素(アーマ)を生成する接着剤のようになるため、長期的には健康に悪影響を与える可能性があると言及しています。
これは食べ物も消化するのが難しくなることを意味します。
アーユルヴェーダでは消化が全体的な健康の中心であるため、他の多くの問題として、たとえば体重増加、便秘、うっ血、経路のつまりなどにつながる可能性があります。

蜂蜜は加熱すると、のりのようにべたべたと粘着質になり、その後は消化管の粘膜に付着し、「ア―マ」と呼ばれる毒素を発生する傾向があります。
アーマの意味は、消化管内に詰まった未消化の食物や毒素です。

蜂蜜とアヌパーナ

蜂蜜は触媒担体としても機能します。
アーユルヴェーダではアヌパーナと言って、アヌパナの意味は薬用ハーブと一緒に摂取するか、薬用ハーブを摂取した後に摂り消化と吸収を促進し栄養を完全な形にして体に運び、サプタダハトゥ(7つの組織)を形成することに役立たせることです。
また重い食べ物やハーブを軽くし、アグニ(消化の火)を刺激させます。

しかし真夏の気温で毎日のように蜂蜜を摂取することはピッタに悪影響があります。

※アヌパーナとは
https://note.com/elements5/n/n7080e11b8876


禁忌

日本や米国などでは1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜を与えないでくださいと言われています。
厳密に言えば、蜂蜜についた表面の汚れや蜂蜜に集まるクロストリジウム菌が乳児のボツリヌス中毒のリスクの可能性があるそうです。
この微生物は、年長の子供や大人には無害ですがインドではアーユルヴェーダの医師はそれに関する報告はないと言及しています。

まとめ

アーユルヴェーダでは蜂蜜を薬として扱います。
その場合は蜂蜜を選ぶ時は嗜好品として選ぶのではなく、アーユルヴェーダ的に使用可能で効能のある蜂蜜を選ぶことが大切です。
キッチンはアーユルヴェーダでは調剤薬局のようなものです。
キッチンにハーブやギーを置いてある実践者は蜂蜜も置いてあり、アヌパーナとして使用しています。
アーユルヴェーダの理論を学ぶことと並行して、実践してみることで理解が深まり生活に浸透していきます。

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