見出し画像

水仕事をアーユルヴェーダーで説明すると

冬は水仕事をすると、さらに手荒れしやすくなりますね。
アーユルヴェーダーで考えると秋から冬はヴァータの季節だからヴァータが増え乾燥して手が荒れるということもありますが、水を触るからカパが増えるはずなのに、なぜ手は乾燥する? そして本当にカパは増えるのか?
この疑問をわかりやすく説明します。

矛盾

水仕事をすると、水を触っているのになぜ手は保湿されずに荒れるのか。
アーユルヴェーダの理論では、同じ性質を持つものは互いに増やすと考えられていますから手は荒れず潤うはずなのに、あれあれ?、、、という矛盾がおきます。

一般的には

アーユルヴェーダーの理論ではなく、一般的には皮脂は皮膚の表面を覆い、水分の蒸発を防ぐ役割を果たしています。
水仕事では、この皮脂が水と一緒に洗い流されてしまいます。
皮脂が不足すると、皮膚の水分が蒸発しやすくなり、乾燥や肌荒れの原因となります。
皮膚の角質層は、外部の刺激から肌を守るバリア機能を持っています。
水に長時間触れると、角質層が水分を吸収して膨らみ、バリア機能が低下します。
この状態で摩擦や刺激が加わると、角質層が剥がれやすくなり、肌荒れを引き起こします。
水仕事後、手を十分に乾かさないと、水分が蒸発する際に皮膚の水分も一緒に奪われてしまいます。
これにより手が乾燥しやすくなり荒れの原因となります。

アーユルヴェーダの理論では


アーユルヴェーダの理論では、同じ性質を持つものは互いに増やすと考えられています。そのため、カパ体質の方が水仕事をすると、カパが増加する可能性はあります。

カパが第一ドーシャの人が水仕事をしたら、手はあまり荒れないの?

同じ質のドーシャは同じドーシャを増やすという考え方に基づいて考えると、カパが第一ドーシャの人が水仕事をするとどうなるのかですが、
まず、カパの性質ですが、重い、冷たい、油性、ねばねばするといった特徴があります。
水もまた、冷たくて重い性質を持っています。

確かに、アーユルヴェーダの理論では、同じ性質を持つものは互いに増やすと考えられていますからカパ体質の方が水仕事をすると、カパが増加する可能性はあります。
古典にはカパは水泳はおすすめではないことも載っているくらいですが、水仕事が必ずしもカパだけを増やすとは限りません。
なぜかというと、水仕事にはカパを増加させる側面と、乾燥させる側面の両方があるからです。

カパを増加させる側面として

水はカパと同じく冷たくて重い性質を持つため、カパを刺激する可能性があります。
長時間水に触れることで、体が冷え、カパの性質である「冷たい」が増長されることがあります。

乾燥させる側面:

水仕事後、手が濡れたまま放置すると、水分が蒸発する際に皮膚の水分も一緒に奪われ、乾燥を引き起こすことがあります。
乾燥は、ヴァータの性質である「乾燥」を増加させる要因となります。

つまりカパ体質の方が水仕事をすると、カパの増加もヴァータの増加もおこる可能性があるため、手の状態は人によって異なると考えられます。


カパ体質の方の水仕事での注意点

  • 水仕事は短時間で済ませる。

  • ゴム手袋などを着用し、直接水に触れないようにする。

  • 水仕事後は、タオルで手を拭き、しっかり水分を取り除きます。

  • 体を冷やさないように、温かい服装をする。

上記をすることでカパを増やさないようにします。

ヴァータならどうする

・もちろん、ヴァータ体質も同じ用に冷えやすい特徴、そしてもともと乾きやすい質があるため、カパと同様に注意する必要がありますが、さらに乾きから守る工夫として薄いローションやクリームより、皮膚表面にバームタイプで厚みをつくっておくと良いでしょう。
・カパより気力も体力も消耗するのが早いため、皿洗いなど量を溜め込んで一度に作業するとヴァータが増えますので、作業が大変にならないようにします。
・体内の水分蒸発がしやすいヴァータですから温かい飲み物で水分補給も忘れずに

ピッタはあまり水仕事を気にしなくてもいい?

水仕事はピッタに対して直接的に「熱い」性質を与えるわけではありませんが、間接的にピッタを乱す可能性はあります。

ピッタを乱す可能性としては

水仕事で手が荒れると炎症が起こることがあります。
炎症はピッタの性質である「熱い」を象徴するものであり、ピッタを悪化させる可能性があります。
洗剤や漂白剤などの化学物質はピッタを刺激する可能性があります。
特に肌が弱く、痒くなったり、腫れてしまったりする人はこれらの物質に触れることで、ピッタが乱れやすくなります。
家事や仕事のひとつ水仕事は時間や効率を求められる場合があり、時にストレスとなりピッタを増加させる要因となります。

ピッタ体質の方の水仕事での注意点

  • ゴム手袋などを着用し、直接水や洗剤に触れないようにして肌を保護する。

  • 洗剤は弱酸性で刺激の少ないものを選びましょう。

  • 水仕事後、手を冷水で軽く洗い炎症を抑えましょう。

  • 保湿剤をこまめに塗り、肌の乾燥を防ぎましょう。

  • ストレスをなるべく溜めないで休憩をとったりしながら水仕事をする。

ピッタ体質の方は、水仕事によるストレスや炎症に注意し、適切な対策を取ることで、ピッタの乱れを最小限に抑えることができます。

生活の智慧


アーユルヴェーダーの古典の知識はこのように現代の生活の中で実際に使っていくことができる生活の智慧です。
季節の中で、環境の中で、状況において、生活の中で実際に個人に合わせて使うことができるアーユルヴェーダー
ご自身の体質や状態に合わせて上記のような対策を参考にしながら、適切なケアを心がけてください。


いいなと思ったら応援しよう!