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詩集

16
芸術と愚痴が混在する散文詩
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#孤独

崩壊

体ばかりが大きくなって
今でも心は子供のままで
部屋で蹲って泣いている
淋しさとだけ身を寄せて
僕はずっと子供のままか

逃げて疲れてまた泣いて
それでも日々は続いてく
枯れて萎れてまた朽ちて
それでも日々は続いてく

過去の苦しみは終わらず
僕の心の奥から来襲する
不安は喚起し神経は震え
理由もわからず涙を流す

苦しみや痛みの朝が来て
僕はまた漂うだけの一日
平日の昼間の住宅街では
その静謐に

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僕は夜の遺失物

夜の瀬にみる切なさは
僕を優しく愛撫する

彷徨う僕にも進む生
惨めに満ちる幸と嫌悪

諦念の先にある暮らし
悲しくなるのは信じた未来

街は目覚めて陰鬱だ
僕は夜の遺失物

祈雨

雲に乗せたこの言葉よ
どこかの泣けない孤独な人の
涙を隠す雨となれ