4月から8月の短歌
サボっていました。
白い肩紐弧を描き翼ひろげるような歌声
心から救いたい人に伸ばす手を引っ込めることも一つの祈り
暑いねと話しかければ風が吹く 日傘のひとを失ったのだ
扇風機 もこもこカーデ 温暖化が叫ばれている私のオフィス
俯いた君に差し伸べる手がなくて 視界に映るように散る花
笑われぬように必死に歩いてる 生ってこんなに臆病だっけ
開花とか梅雨入りみたく教えてよ 片思いでも倦怠期でも
おもしろい会話の中身は覚えてない おもしろかったことだけ分かる
セキレイの降り立ちて尾を振る まるで髪撫でつける乙女のように
心って植木鉢だから愛情は注ぎ続けねば枯れてしまうね
飴玉を拾いし小人が雪に埋め そうして春に咲く八重桜
好きだけで救えないもの 誠実と時と場合とあとなんだろう