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Stevie Wonder "Fulfillingness' First Finale"

はじめに

 記事のなかで今まで言及しなかったため意外かもしれませんが、70'sのSoul、Funkが自分の最も好きなジャンルのうちの一つです!
 そんな70'sのソウル(ニューソウル)の個人的四天王であるMarvin Gaye、Curtis Mayfield、Stevie Wonder、Donny Hathawayの中から、今回は世間で一番知名度の高いと思われるStevie Wonderを選んでみました。
 実は、Twitter(意地でもXとは言わない)上の「#私を構成する9枚」では
"Innervisions"を選んでいました。(9枚なのに計18枚選んでいるのはご愛嬌)

 勿論"Innervisions"も大好きで歴史的な名盤だと思っていますが、このツイートをした3年後の現在では"Fulfillingness' First Finale"の方がより好きになりました。
 なので、今回はStevie Wonderの"Fulfillingness' First Finale"についてレビューしてみることにしました!!

本作について

 本作は1974年に発売された16枚目のアルバムで、リリース時の年齢が24歳…!!(天才過ぎる)
 Talking Book(1972年)、Innervisions(1973年)とまとめて三部作なんて言われています。
 個人的に、Innervisionsや本作の壁画?みたいなデザインが大好きで一時期スマホの壁紙に使っていました(本当にどーでもいい…)。

全曲レビュー

※:☆の数は自分の好みの程度

1.Smile Please ☆☆☆☆☆

邦題は「やさしく笑って」
 温もりのあるジャズギターが印象的なミディアムテンポの一曲。
本作のイメージを象徴したような暖かく、聴いていて癒されます。
 ボーカルの多重録音で耳が気持ちいい…

2.Heaven Is 10 Zillion Light Years Away ☆☆☆☆

邦題「1000億光年の彼方」
 #1に続いて、こちらの曲もゆったりとした優しい雰囲気の曲ですが、サウンド面ではスティーヴィー・ワンダーらしいシンセが特徴的で少し近未来感も感じます。
 この曲やアルバムが1000億光年とまでは行かなくても、今後の世代に受け継がれていって欲しいと願っています…!!(自分が音楽レビューを書いている理由の一つです!)

3.Too Shy to Say ☆☆☆

 #1、#2よりもテンポを抑えた、スティーヴィー・ワンダーのボーカルを堪能できる美しいバラード曲で、非常に圧巻な歌いっぷりに神々しさすら感じます…!

4.Boogie on Reggae Woman ☆☆☆

 ミディアムテンポ〜バラードの前半3曲とは打って変わって、こちらは手数の多いローズピアノのリフが癖になるファンキーでアップテンポな一曲。
 本作からの2ndシングル曲で、聴いてて思わず体が動いてしまうほどノリが良く聴いていて楽しいです!
 個人的に、題名にレゲエと入っている割にレゲエ感は感じられませんが、R&BやFunk方面では充分過ぎるぐらい名曲だと思います。

5.Creepin ☆☆☆☆☆+☆

個人的な本作のベストトラック①。
 フワフワと地に足がつかないような浮遊感のあるどこか"不思議"な雰囲気が漂うメロウな一曲。
 コーラスのMinnie Ripertonも曲の世界観にあっていて、より一層楽曲に深みが増しています。
 この楽曲を聴いている約4分半の間、どこか遠くの異国に旅をしたような、はたまた夢を見ていたかのような輪郭がなく捉え所のない不思議な感覚になります…!
 こんな音楽体験をできる曲は中々無いので、ぜひ聴いてみて自身でこの感覚を体感してみて下さいッ!!

6.You Haven't Done Nothin' ☆☆☆

邦題「悪夢」
 幻想的な雰囲気の#5から現実の世界に引き戻されるような重量感のあるファンキーなクラビネットが印象的な一曲です。
 "Living for the City"や"Superstition"を彷彿とさせるようなキャッチーなファンクで、全米1位を記録した本作からの1stシングル曲。
 コーラスにあのJakson5が参加しています(めちゃくちゃ豪華やん…)。

7.It Ain't No Use ☆☆☆☆☆

邦題「愛あるうちにさよならを」
 前半の3曲や#5のようなメロウで、邦題のように胸が締め付けられるように切ない壮大なバラード曲です。
 Minnie Riperton、Deneice Williamsがコーラスで参加していて「Bye Bye~」のフレーズが頭に残ります。

8.They Won't Go When I Go (Stevie Wonder, Yvonne Wright) ☆☆☆☆

邦題「聖なる男」
 ピアノの弾き語りのようなシンプルな構成でありながら、どこか凄みや迫力のあるおよそ6分の大曲。
 「Unclean minds~」からのボーカルは圧巻で聴くたびに鳥肌が立ちそうになります…!!

9.Bird of Beauty ☆☆☆☆☆+☆

邦題「美の鳥」
 個人的な本作のベストトラック②で、スティーヴィー・ワンダーの曲の中でもトップクラスに好きな曲です!!
 清涼感溢れるボサノバ風の美しく軽やかで、フリーソウルやレアグルーヴ界隈で人気な曲。
 ボーカルやコーラスが歌うメロディには独特な浮遊感があり、聴いていると空中を優雅に漂っているようで、まさに"Bird of Beauty(美の鳥)"の曲名に相応しい!
 休日の昼間にコーヒー片手に聴いてみたいなんて思ってます。

10.Please Don't Go ☆☆☆☆

 本作の最後の曲に相応しい、大円団感のあるリズムが聴いていて楽しいゴスペルチックな曲。
 最後のボーカルとコーラスの盛り上がりに気持ちが高揚して、毎回「このアルバム聴いてよかった」ってなります笑(語彙力が…)。

最後に

 レビューを書くのにあたって改めて聴き直してみましたが、やはり最高でした!
InnervisionsとSongs In The Key Of Lifeという歴史的名盤の間にリリースされたため他の作品と比べると派手さが無く、あまり目立たように感じますが、どんな時でも受け入れてくれる”優しい”アルバムだと思っています。(本作をリリースする前に生死に関わるほどの大きな事故による影響なのか、、、)



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