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結果と告知【子宮体がんでした記録④】

そして①へ戻る。

17日の予約時間に合わせて来院。今回も数時間待つ覚悟で来た。

再診の受付をし、産婦人科の待合所へ。大きな番号を表示しているパネルを見て、担当医の名前を探す。

部屋が多いので、近くの椅子に座りたかった。

だがどこを探しても先生の名前がない。困った。仕方ないので適当に座り、アナウンスを聞き漏らさないようにしようと気をつけた。

1時間後、あと数人で順番が来るから待機してねコールがあり、向かう。
行った先は一番奥の処置室で、先生の名前は表示されていない。どうも特別枠のようだった。

のちに分かったのだが、私のような緊急性が高いか急ぎと判断した患者枠を先生が作っているようだった。
だから手帳とにらめっこしていたのだ、初診日の日。
ありがたいなぁと思う。


気分的には死刑宣告を待つ気持ちだった。

とんでもなく辛い一時間だった。早く呼んでくれ、もう楽にしてくれと、精神が叫んでいた。

お腹も痛いし、心臓も痛いし、あちこちギシギシ傷んでいた。

年末からすっとまともに眠れていない。なんとか普段通りにしようと努めていたが、土台無理な話だ。

不安なんだから。


番号が表示され、室内へ入った。


「よろしくお願いします」
「お待たせしてすみません」
「いえ、とんでないです」

丸い椅子に腰掛け、速攻で「検査の結果ですが、子宮体がんということで間違いないです」とパンチが飛んできた。


すぱーんとふっ飛ばされた。

あっさりと。

余韻もなく。

気持ちいいくらい。


MRIの画像の説明で説明を受け、おそらくⅠAであろうと思う、だがちょっと見えにくいところが気になる、ここがもしかしたらⅠBの判定になるかもしれない。そしたら治療方針は変わってくるけれど、今のところ腹腔手術で考えていると告げられた。

なんというか恥ずかしい(いや恥ずかしくはないのだが)私はものすごい便秘体質で、とくにこの半月はストレスフルでかなり便が溜まっていたらしく、潰れてしまってよく見えない部分があったらしい。そこが気になる、ということだった。

むしろこの画像でよくそれがわかると素人からすれば驚くばかりだが、取り敢えずは初期である。ということだった。

治療は子宮、卵巣、卵管の摘出。場合によっては骨盤内のリンパも取るかもしれない。

入院は6日間予定。
とりあえず初診日の日に、その時点で空いていた最短の手術枠が2/25で、押さえておいたけれど、この日でいい?と立て板に水の如く、プランが提示されていく。

あー、もうホントわかってて、確信していたんだな、先生。
MRIにしろ手術日にしろ、先手先手のタイプの先生だ。
この御縁に感謝である。

先生にまかせて頑張ろ。信じよう。素直に思った。


ただしCTだけはどうしても確保できなかったので、外部で受けて来て欲しいとのこと。転移がないか、手術が出来る体の状態であるかを調べるための検査。

このあと担当に繋ぎますので、スケジュールと説明を受けてくださいと、淡々とんとんと診察は終わった。

労われたわけでも優しく慰められたわけでもない。正直わかりやすい優しさはない先生だろうと客観的に感じる。

そっけないとかぶっきらぼうとか言われそうな態度だろうけれど、私はこういう対処のほうが楽だ。
つらいけれども、ええーもうちょっと言い方!とも思いはするが、きっちりやるよ、下手な慰めはしないよ、事実を言うよ、っていうほうが主治医の場合は信用出来る。冷たいとかきつい怖いといった気持ちにはならなかった。むしろ、清々しい。

診察室を出て、待合所へ戻る。

寄り添ってくれていた友人にLINEした。


【結果でました。子宮体がんでした】

2分後、

【まじか】

【手術になります。2/25。卵管と卵巣までとるって】

【あー】
【行く】
【今から支度する】


と返ってきた。休みをとって待機してくれていたのだ。


【いいよ、これから説明とかあるし時間かかるから】

【今から家を出ます】

【うん】

そんなやりとりのあと、15分くらいで友人は来た。

強風でぼさぼさになった頭で、顔を真っ赤にして。

友人の顔を見たら、じわっと目の奥が熱くなった。

告知されても緩まなかった涙腺が、ほろほろと崩れた。
泣くまではいたらなかったけど、じんじん目の奥は熱くなった。

なんというか。うん。この友人のためにも治すと誓った。


看護師さんから説明を受け、入院支援センター、入退院受付と怒涛のスケジュールで動く。

不思議なことに時間かかると言われていたけれど、全部スムーズで小一時間もかからなかった。

事務的にやることが具体化すると、私は気持ちがどんどん楽になっていった。

対処方法が分からない、白黒はっきりしないほうがストレスが大きい。

決まってしまえば、戦う方法が分かってしまえば、それこそ淡々とタスクをこなしていくだけだ。

不安は合間合間に挟まっているし、今は少し楽でも、手術日までは揺り返しのように感情の波に襲われるだろうけれど、もう動き出したなら、どれだけ怖くてもやるしかない。

現時点で最良最短の解決法が組まれたことに、心から感謝している。

どうか、ちゃんとⅠAのままでありますように。

私が最後まで戦えますように。

どうか最後まで記録を残せますように。

さて次は外部CTだ。便秘対策をせねばならぬ。




つづく。

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