オタクと御宅(お宅)の変化と起源
みなさんは「オタク」という言葉を知っていますか?おそらく知らない人はいないはずです。
今となっては日常的に会話やメディアで取り上げられるようになった言葉ですが、そもそも「オタク」という言葉は「御宅(お宅)」として 主婦たちがお互いを呼び合う時の二人称またはその家や住宅のことを意味する言葉として使われていました
本来とは異なる意味となった「御宅(お宅)」ですがどういう理由・原因で「オタク」に変貌していったのか自分なりの考察や文献からその経緯を書いていきます
御宅(お宅)について
御宅(お宅)について詳しく調べてみました
見ての通りですが、馴染みのある「オタク」とはかけ離れた意味となっています
御宅(お宅)の起源について詳しいことがわからなかったのですが、小学館の日本語大辞典によると国木田独歩の「竹の木戸」(1908年)や日本と朝鮮で使用された教科書「隣語大方」(18世紀から19世紀)で御宅(お宅)が使用されているので、この時期から使用され始めたと推測されます。
オタクの誕生
ではなぜ「御宅(お宅)」が「オタク」になったのか
オタクの起源は多くの諸説がありました。いくつか紹介します
1 アニメ・ゲームファン界隈で相互に呼び合うときに使用された説(1970年代)
同志社女子大学日本語日本文学科特任教授 吉田直人さんによると、アニメやゲームなどの嗜好性の強い愛好者たちが相互を呼び合うときに「お宅」や「お宅ら」を使用したのが始まりなのではないかというものです。ただ現代で言われている「オタク」よりも範囲が広く、定義するのが難しいそうです
2 「超時空要塞マクロス」が由来説(1982年)
社会学者の岡田斗司夫さんによると、当時岡田さんが勤めていた株式会社GAINAXで製作されていた「超時空要塞マクロス」で、制作者間でお互いを「お宅」と呼び合ったり、「超時空要塞マクロス」の主人公・一条輝が「お宅」と言っていたことが始まりではないかというものです。ここからアニメファンやSFファンに「お宅」というのが認知されていったそうです
3コラムニストの中森明夫が呼び名として取り上げた説(1983年)
中森明夫さんが連載した「東京おとなクラブ」のコラムで「おたくの研究」という企画を立てたのが始まりなのではないかという説です。
どれも信憑性があり驚きました……
これ以降の年代に「オタク」の起源とされるものが見当たらなかったので、おそらくこの年代から、今私たちが認知している「オタク」が生まれていったと考えられます
御宅(お宅)→オタク への変化
先ほどあげた三つの説などから「オタク」が生まれ、そこからコミックマーケットやアニメ・ゲームイベントなどでお互いを「お宅・おたく」と呼び合い、それがメディアなどを通して一般的に認知が広まり、特定のコンテンツに熱狂している人達を「オタク」と呼ぶようになっていった
オタク達がなぜ「御宅(お宅)」を選んだのかを考察
私が思うに、人間関係の事前認識がない中で、相手に敬意や敬語的な姿勢を崩さないのに非常に適した言葉だったからではないでしょうか。そもそも「御宅」はそこまで畏まった言葉ではないので、気さくに尋ねることができながらも敬意を示せたりできる。また他の人たちと通常と違った使い方をすることで、そのコンテンツコミュニティに集団性が生まれるのもあるんじゃないかと思います(超主観的です)
まとめ
みなさん、いかがだったでしょうか。
この記事を通して、御宅やオタクの起源やその変化がみなさんに伝わっていると嬉しいです。