GEMSの研修レポート
早稲田大学インクルーシブ教育学会 6月研修会に参加しました。(こちら)
研修会のテーマ
子どもの思考を拡げ、深める介入方法
〜アセスメントベースのファシリテーション〜
研修の目的
「主体的に話し合いをさせたいけど、子どもたちの思考が拡散してしまっている気がする」
「子どもたちの発言を上手くいかせていない」
「主体的で対話的で深い学びってどうすればいいのか?」
この研修では、子どもたちの発言の意図や、発言にいたる過程をアセスメントする視点を学び、それに基づいた発問や介入方法をGEMSを通して考えていくこと。
GEMSとは?
GEMS(Great Explorations in Math and Science;ジェムズ)は、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の付属機関LHSで開発されている幼稚園から高校生年代を対象とした科学・数学領域の参加体験型プログラムです。
体験学習の理論に基づいてプログラムが構成されているので、ただ実験や観察をするだけでなく子どもたちの自由な想像力を引き出しながら科学の基本概念や方法を学ぶことができます。
GEMSのプログラムではプロセスを重視するので、子どもたちが自分たちで実験を企画し、話し合って結論を導き出します。
ジャパンGEMSセンター(HP)参照
研修の流れ
①体験する→②理論を学ぶ→③考える
1. GEMS体験
◎ 授業の最初の問いかけ
「バナナは水に浮くと思いますか?沈むと思いますか?」
最初のアイスブレイクは、大人から子どもまでが知っているバナナを題材にした問いから始まりました。浮くと思う人、沈むと思う人意見が分かれます。
そして、自分の推測を裏付ける理由を自由に発言していきました。
「物質が水に浮くかどうかを考えるには、密度が関わってくるから、バナナの種類によって糖度が異なるので変わってくるのではないか?」
「バナナの皮だけだったらどうなるのか?実だけだったらどうなるのか?」
次々とファシリテーターの方から視点を貰い、問いかけられ、思考が深まっていくのを感じました。
◎ 本題となる問いかけ
「水のタンカー事故が起きました。海の水の油を全て取り除くには、何を使ったらいいのだろうか?」
◎ 用意するもの
・透明なカップに水を3分の2ほど入れたもの
・色が濃いめの油(オリーブオイル、ごま油など)
・ペットボトルキャップ(油を入れる用) 1つ
・新聞紙(油で汚れたものを置いておく用) 1束
・油を吸いそうなもの(当日家の中で探すのでもOK)
◎ 実験方法
① 透明なカップに水を3分の2ほど入れる
② 色が濃いめの油(オリーブオイル、ごま油など)をペットボトルキャップ1杯分入れる
③ 油を吸いそうなものを家の中で探して、水の中の油を取り除く
*是非、家の中にあるもので実際にトライして頂けたらと思います。
受講生は様々な素材を持ってきました
猫の毛、キッチンペーパー、パン粉、段ボールをちぎったもの、ティッシュペーパー、コーヒーフィルター等
◎ 思考を拡げ、深める時間
実験中や実験後に思考を拡げ、深めるためにはファシリテーターは、私たちの実験の様子や私たちの呟きから様々な問いかけをしてくれました。
「段ボールをちぎった方が吸収しやすいのでは?」
「どうしてちぎったほうが吸収しやすいのかな?」
「どんな素材で、どういう風に油を取りましたか?」
「からめとる感じ?救いあげる感じ?」
「皆さんの考察を元にして、どんな素材のものが油をよく吸うのかを自分で理論を作ってみよう。」
この場に集まった人の考察から、少しずつどんな素材のものが油をよく吸うのかを理論を私たち自身で見つけ出している感覚がありました。
実験は続きます....
2. 理論を学ぶ
後半では、早稲田大学教育学部の教授である本田恵子氏から子どもたちの発言の意図や、発言にいたる過程をアセスメントする視点を学び、それに基づいた発問や介入方法をGEMSを通して考えていきました。
ピアジェの認知発達理論も元に、実際の活動中のサイクル(導入→探究→一般化→応用)における発問の組み立てを学んでいきました。
*内容省略
3. 考える
最後は、実際に子どもたちが受けた油の授業を、子どもとファシリテーターの発言を書き出したシートを元に、子どもの発言とファシリテーターの介入の仕方を分析していく時間でした。
*内容省略
この研修を通して、今目の前にいる子どもたちの子どもの思考を拡げ、深める介入方法を振り返るきっかけになりました。今後、理論を元に今沖永良部島(e.lab)で行っている日頃の子どもたちの見取りをnoteで発信していこうと思います。
ここまで読んでくださり、しったいみへでぃろど〜!
ちかちゃん
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