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不健康で非文化的な最低限度の奴隷生活(秋田暮らし)

Ep.1
「昼飯食べるたびに吐いちゃうんだよね、おれ」
今から一年前くらい、都会の仕事を辞め、秋田に帰ってきた友人の言葉だ。
秋田に戻ってきたとはいえ新しい職場に慣れないストレスが原因なのだろう、苦笑いしながら私に話してくれた。

つい最近、その友人と帰りのコンビニで偶然にも再会した。

「あれから、どうよ。仕事は慣れた?」
「少しは慣れたよ。吐く量も減ったし」
まだ吐いてんのかよ。

都会で夢破れた若者が、ふるさとに戻って自分を取り戻す。

そんなストーリーをよく耳にするけれど、ふるさとに戻っても、居場所がなかったり、ハンパないストレスに悩まされている人はどうすればいいんだろう。

考えるのをやめた。

Ep.2
「いやー頑張ってるね!」
「いつかきっと報われるよ!」
「応援してる!!」
地域のいろんな役割を担っていると、そう言われることが度々ある。
ボランティアだとか、〜団体の会計だとか、〜委員だとか。

けど、そういう人たちが
私にお金をくれるのだろうか。
私のために何かしてくれるのだろうか。
何か頼んだところで、面倒くさいような顔をして避けていくんじゃなかろうか。

励ましの言葉も最初の頃は嬉しかったけれど、段々と何も感じなくなってきてしまった。

「(都合のいいように使われてるだけじゃね?)」
いつしか、そんな風にさえ思ってしまうようになった。
休日は地域の活動に時間を割き、お金を払いに歩き、チラシを置かせてくれと頭を下げて回る。

気の利いたおじちゃんが美味しいご飯をご馳走してくれることがある。
「ご馳走様です!ありがとうございます!」
いつも頭を下げてるな。と思う。

Ep.3
カップ麺だけじゃ体を壊す、と思いスーパーで食材を吟味する。
有機野菜!オーガニック!健康食品!
どれも値段が高い。

デカ盛り!腹一杯!産地もよくわからない大量に入った何かしらの食材!
どれもコスパがいい。

悩んだ末に後者を選ぶ。
お腹いっぱいになるものは
どうして高カロリー低価格なのだろうか。

晩御飯は焼肉のタレかけご飯だ。

Ep.4
はやくいい人見つけなね
恋人はいないの?

年収200万で給料の上がる見込みもない人と誰が一緒に暮らしたくなるのだろうか。
逆に言いたくなる。

「消去法で言えば、私は最初に消える方かと思います」

Ep.5
秋田の20代〜30代の人の話を聞いていると悲惨な話が結構ある。

仕方なしに転職を繰り返しているのに「あの人は長続きできない根性のないやつだ」と噂されていたり。

最低賃金ギリギリの中、休みも少なく必死で働き少ないお金と時間の中で親の介護をしていたり。

昼飯食べるたびに吐いていたり。

そんな話を耳にしながら

テレビでは夢ある同世代が起業してテレビに取り上げられ

なにいってるかよくわからないようなおじいちゃん達が、偉そうなところで偉そうな顔をして秋田の未来について語っている。

未来のない人が未来について本気で語ることなんてできるんだろうか。

夢も希望もないよな。って思う。

end
人生は自分の思考でしかない。

どう幸せに生きるか、よりも
どう幸せに死ぬか、なんだろうな

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