多動は個性だ!
小学校6年間連絡帳に書かれた文字は「落ち着きがない」。
落ち着きがないことで親に怒られた経験は一度もない。なんたって、手に書いた買い物メモを秒で忘れて手を洗う母に育てられたのだ。きっと、「わたしの娘だものね」と思っていたことだろう。
なにかと理解のある友人に恵まれたこともあり、苦労したことはなかった。
・人の話はきかない。
・旅行に行っては1人で勝手に行動する。
・遅刻は常。
思い立ったら後先考えず行動してしまう癖はあったが、それも個性と友人にはオモシロがってもらっていた。
社会人になってからというもの、御多分に漏れず社会の枠から外れていた。注意されても同じことを繰り返してしまう。言われたことを忘れてしまう。集中できない。ツラい。本を漁った結果、「大人のADHD」という言葉を知った。
何でもかんでも病気にするのは良くないと思っていたが、このときばかりは原因が分かった気持ちになり安心した。
▼注意欠陥・多動性障害(ADHD)の症状
・注意の持続が困難。
・細部に注意が向かないために仕事や家事でケアレスミスや物忘れが多い。
・しばしば約束の時間に遅れたり、約束を忘れたり、締め切りに間に合わない。
まさに(脳内ファンファーレ)。ああ、ADHDという症状だったのか。薬物療法と心理療法があるらしいのだが、選ばなかった。特徴として受け入れた。ただ、環境が重要であることは理解した。
集中できない環境。自分が苦手とする相手との仕事は特に症状がひどくなるのだ。そのため、自分の居心地がよい状態を常に意識することにした。結果、仕事はそこそこ出来るようになった。
いまもマルチタスクが得意な方だ。集中力がない分話かけられてもすぐに業務に戻れる。なんなら聞きながら、作業ができる。
完璧な人なんていない。自分からみたら欠点でも見方を変えたら特徴になる。多動は特徴であり、個性だ。
こういう病気だからと言ってしまったら何も前に進まない。だから何が出来るのか。考えるための特徴を得たのだと今は思う。けど、やっぱり悩むことはあるよね。悩みながら受け入れながら生きていきたい。多動は個性であり、私自身なのよね。