見出し画像

読書感想文 罪の声

グリコ森永事件を題材にしたお話。電子書籍で読んでるとページ感覚が薄くなるので、話が盛り上がってきてもうそろそろ終わりかなと思ったところがまだ半分もいってませんでした。密度が濃い。
ちょうど私自身が主人公の記者と同世代、関西圏に住んでるということでとても感情がのりやすく追体験をしているかの感覚で読み進めました。
事件当時の記憶がないので、どこからどこまでがフィクションなのか、あまりに矛盾を感じない気持ちのいいストーリー展開で、あの犯人海外にいるらしいでと井戸端会議に登場させてしまいそうなお話でした。
読み終えて実際の事件の情報を調べて見たところ事件内容は本当にそのままで、フィクションと現実を凄く上手く融合されているのだなぁとびっくりしました。膨大な資料収集、取材、元新聞記者の著者というのがこのリアリティーを産んだのかなと。
もう1人の主人公、罪の声の持ち主、この物語の中では事件を調べ、受け入れ、話すことで救われていくのですが、実際の事件の子供たちは今どうしているのだろかと思わずにはいられない読後感でした。

本を読んでからと思ってた映画の方も見たんですが、映画はエンタメでしたね。直接的というか。見せたい訴えたいテーマが分かりやすく投げられているように思いました。こちらは井戸端会議に登場したらそれ映画やんと突っ込みを入れられそうです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?