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【クソゲー】PS|ローンソルジャー【プレイレビュー】



 仮に所持金が5円しかないとして、その5円で何が買えるのだろうか、もし探すのなら駄菓子関連からその五円のものを検索するのが良いだろう。


▲五円玉そっくりのミルクチョコレート『ごえんがあるよ』

 五円の駄菓子をネットで検索すると上記画像のような品物が出てくるが、しかし、現在最低金額税込み6円との表記があり、1円届かず。さらにはどうやら販売も中止していて、単品での販売はまず無いらしいが、セット売りでなら割と様々な場所で買えるようである。

 次に、こちらを見て頂きたい。


父の日に6円てお前……。

 母の日に渡すカーネーションでも1本180円ぐらいだが、6円ともなるとカーネーションの30分の1の値段。

 これはおとんの価値はおかんを30分割にした程度だと言っている様なものであり、それはおとんはおかんの尻の割れ目の左側と同レベルであると、娘息子達に思われているといっても差し支え無いであろう。

 まあ、左だろうが右だろうが正直どっちでもいいが。

 どちらにせよ尻の一部とおかんの30分の1の分量は同義であることに変わりは無い為、実質おとんはおかんの尻の割れ目の左部分であるという事になるのだ。

 まさに6円クオリティ、6円ともなるとここまで落ちぶれてしまうのか。

 しかし、そんな6円の物すら買えない5円の価値とは一体どれ程のものなのだろうか、そもそも5円で何か買えるのかといった疑問さえ浮かぶが。

 それは本来100円であったが、何とも恐ろしい事に95%OFFという異端とも取れる割引商法で、5円という破額を生み出している。

 あのモーセでさえ海を二つに割り、半分にするのがやっとだというのに、それを遥かに超え、凌駕してしまった1つのゲームがある。

 そう、それが今回レビューさせて頂くクソゲー界のイエス・キリスト。


『ローンソルジャー』

なのである、アーメン






◇ゲーム本編プレイレビュー


 もはや最高過ぎて、勿論「最高ですか?」と聞かれれば「最高です!」と答える程で、誰に何と言われようが最高、間違いなく最高で、いや、だがしかし、何が最高かというと、


まったくといっていい程楽しくないのが非常に最高なのである。


 ではまず何が楽しくないのか。

 それは、タイトル画面で○ボタンを押す事で各項目を決定できるのだが、その際にいちいち「ズキューン!」と、何やら銃声が鳴り響き、さらにはカーソルが上下に移動するたびに「カチッ」っといちいちうるさく、設定画面であるオプションに入ろうものなら、

・オプション内での騒音例
カチカチッ カチッ ズキューン ズキューン カチッ ズキューンズキューン カチッ ズキューン カチカチッ ズキューンカチカチカチッ ズキューンカチッズキューン!

 といったうるささで、もはや字体で見るだけでも相当にうるさい。このうるささに相反するかのように、操作している当の本人はまったくもって楽しくないのである。

 むしろ冷淡にその状況を見ていて、何の感想も抱かない程だ。

 単調なオプション画面で無邪気にSEで元気一杯に「ズキューン!」と何やらはしゃがれても、何とも言えない気持ちになるのは至極当然である。

 いざゲームをスタートさせてみると。


▲このように所謂TPSであるが、この手のゲームでは珍しく、左手に持っているサブマシンガンがメイン武器となっている。

 しかし、タイトル画面では右手に持っていたと記憶しているが、このおっさんの利き腕は一体どちらなのであろうか。

 正直タイトルの絵をしっかりと確認する事無く、尚且つ製作者側が誰1人気付かずにこの左利きのキャラを仕上げてしまったかと思うが、まあ、両利きであると思う事で無理矢理納得してしまう事にした。

 肝心のサブマシンガンであるが何故か弾数に制限も無く、ガガガガッっと軽快に撃ちまくるのだが、タイトル画面であれほどズキューンとマグナムかのような銃声を鳴り響かせておいてからのこのサブマシンガンである。

 そのせいもあってか妙にしっくり来ないが、しかしながら冷静に考えると「何故メインの武器がサブマシンガン何だ?」と、じわじわと疑問も浮かんでくる。そこは通常のマシンガンで良かったのではと思うが、このおっさんのこだわりなのだろうか。

 さらにタイトル画面における決定は○ボタンであったが、プレイ画面における○ボタンは数に限りがある手榴弾を投げるコマンドであるという、地味なトラップも用意されている。


▲その為、初見プレイではまず意図せずに、手榴弾を全力で放り投げるおっさんの背中を眺める羽目になる。


▲ボォン!と花火を撒き散らしゲームスタート。

 吹き飛ぶ二等兵達を眺めながら「いや、そんなつもりは無かったんだけど……」と、開幕から少々困惑しつつ妙なストレスを受ける事となる。

 ここでサブマシンガンを撃つコマンドは×ボタンという事を確認し、ガガガガッっと撃ちながら適当にトコトコと歩いて先へと進むと、


▲簡易的に木材で作られた監視塔を発見。

 肝心の塔の頂上に居る兵士は無線で仲間と連絡を取ることも無くこちらに向かって闇雲に銃を乱射。塔に居る意味も感じられないどころか地上に居る兵士達と比べると機動力が無い分、見た目におけるインパクトとは裏腹に何の脅威も感じられないものとなっている。

 仮に主人公である緑おじが通常の人間通り狙撃されればぶっ倒れるという至極当たり前な人間であるなら非常に辛い状況であったが、このおっさん、もはや固さが人間のそれとは違い、50発程度までなら耐えうる強靭な肉体の持ち主なのである。

 この固さに圧倒的な自信がある為か回避するアクションは一切無く、相手と撃ち合い倒れた方が負けというシンプル極まる戦闘スタイルとなっている。

 しかし、どうやらそんなバイオハザードなおっさんにも制限時間がある様で、画面右下のタイムがどんどん消費されていく。


▲さらには、こちらの射撃は前後左右に斜めを足した8方向の固定であり、相手をロックオンしない為、中途半端に斜めにいる相手には当てる事が非常に困難なのである。

 したがって、ある程度敵である兵士達を無視して進まなければタイムオーバーとなりスタート地点からやり直しとなってしまう。ゲームオーバーでは無くあくまでやり直しである。

 要するに、まだこのおっさんは継続できる体力があるにも関わらず「あぁ、もうこんな時間か、よし、じゃあ戻るか」と、最初の地点に帰っているのに他ならない。

お前のその時間におけるこだわり面倒くさ。


 小学生が下校途中に影を踏まずに帰宅するかの如く、意味の無いこだわりを見せる緑のおっさん。

 その弊害によってプレイする側は「時間になったらこいつすぐ戻るし、敵とか無視して突っ切るか」と、なるのである。


▲ステージも中盤に差し掛かろうかといった所であろうか、上空から何やら支援物資らしきものがふわふわと降りてくる。

 ひょっとすると体力が回復するアイテムが入っているのかもしれない。自身の体力も半分程消費してしまっているので、実にありがたい事である。


 周りは敵だらけで孤独に1人で戦っていたつもりだったが、こうやって仲間からの支援を受けると1人じゃ無いんだなと。


 しかし、それなら一緒に行動してこちらの援護射撃でもしてくれればかなり助かるのだが、主人公のおっさんの強靭な肉体もあってついて行く体力も無いのかもしれない。


 それならば仕方の無い事だが、ただ肝心の箱の中身は何だろうか、新しい武器にしろ体力を回復させるアイテムにしろ、どちらにしても……


「ワオッ」※左上のバーに注目。


 おっさんが何やら叫んだかと思うと、体力が地味に痛い程度にごっそりと減ったんだが……。

 静止画では少々分かりづらいかと思うので、ここでGIF画像で一例の意味不明な流れを是非とも見て頂きたい。


流石に世知辛過ぎんだろ……。


 拾い方の妙な動きの癖はこの際一旦置いておいて、この展開は「この世に味方なんていない、信じられるのは己だけ」と、そう感じざるを得ない。

 つまりは1度戦場に入ればそこに敵味方はいない。

 見るもの全てを敵だと思えを地で行くこの容赦の無いゲーム性、恐ろしい限りである。

 しかし、拾っただけでダメージを受けるその箱には何が詰まっていたのか、爆発している様子も無いので何らかの精神的ダメージを受けている可能性もあるが、この短い間に起こる精神攻撃となると写真や何らかの絵といった所か。

予想するに
・ おかんが全裸でフリースローをしている様子を様々な角度から写した写真を8枚。

・ そのおかんを笛らしきものをくわえながら指を差して注意している審判の写真を3枚。

・ 注意している審判に不服だと腹を立て殴りかかろうとしているおとんの写真を5枚。

・ そしてその3人のやりとりを描いた油絵を1枚見事に仕上げている。

▲支援物資の中身、予想される物。

 この辺りが箱に入っていたとすれば「ワオッ」と叫ぶのも無理は無い、実際自身がこれらを目撃すれば一瞬にして卒倒してしまう自信がある。

 そうなるとこの緑おじがまだ正気を保っている事自体相当な精神力だといえようが、受けたダメージ量を見るに銃で5~6発撃たれた程度減少している為、やはり相当なダメージであった事に変わりは無い。

 しかし、幾らひどい目にあったとしてもゆっくりとはしていられない、時間になればスタート地点に戻ってしまうおっさんの妙な癖があるのだ。

 それは少々困るので、急いで兵士達の間をすり抜けながらなるべく先へ先へと進んでいくと、


え、あっさりクリアしちゃったんだけど……。


 実際プレイしてみればわかるのだが、敵を無視して進めていくとまったくといって良いほどのヌルゲーと化してしまう。あくまでクソである事に変わりは無いが、やはりあまりに簡単であると楽しめないのも確かだ。

「クソゲーかと思ったら単なるヌルゲーかよ」と、少々気を落としながらも次のステージへと向かうのだが。


何か見覚えあるな…


 これはひょっとして前のステージの使いまわしか…?

 はは、まさか、そんな事無いよね。

 使いまわしっていったってちょっと似てるだけとかそういう……


そんなレベルじゃねえ!


 まったく同じじゃねえか!
 畜生、何だよこれ!

最高じゃねえか!


 ……おっと取り乱してすまない、勿論、あくまで「クソゲーとして捉えるなら」である。所謂ゲームを普通に楽しむ要素としては寧ろ最悪なのである。

 しかし、ゲームを進めていくと、


あっ


 あの監視塔は……。
 これは嫌な予感しかしないが、まさか……。

 そして、その予感が的中してしまう決定的な場面と遭遇する。次の画像の上部にある赤く○をしている箇所をよーく見て欲しい。


これループ物ですわ……。


「♪過去は離れて行き未来は近づくの?」と思わず口ずさんでしまった瞬間でもあった。

 そのあまりにも酷い独り言に「懐かし過ぎんだろ!」と、自身に思わずツッコミを入れてしまう程である。

 い、一応先に進んでみるか。

 ここをクリアするとどうなるのかある意味気になる所でもあるし。


▲やはりヌルゲー、クリアするのは非常に簡単ではある。

 簡単であるが、しかし、問題はこの先に何が待っているかという事だ。

 まさか、とは思うが……


この時をかけるおっさんがよ!


 タイムリープできる能力をわざわざ二等兵討伐を繰り返す為に使うとは、時間制限で戻るこだわりといい、マグナム音をスタート前に散々聞かせてからのサブマシンガンを愛用しているところといい、さらにはよく見ると服装もせっかく緑でカモフラージュしてるというのにタンクトップで肌を見せてしまっているというこのおっさんの癖がやば過ぎる。

 しかし、問題は何が理由でループしているのかがわからない、これを解決しなければ永遠に森のくまさんである。

 まあ出会うのは熊では無く、むさ苦しい二等兵共ではあるが。

 しかし、ここでこの問題を解決する為に必要なある重大な見落としに気付いてしまう、まずはこれを見て頂きたい。


▲これは、ステージをクリアするたびに映し出されるものをキャプチャしたもの。

 上部にある「END OF STAGE」の表記に惑わされ、しっかりと確認せずにボタンを連打していたのがいけなかった。

 そのすぐ下にある、

「HIT RATIO=53%」

 これは、所謂ヒット率の事であり、さらに下には

「YOU HAVE LEFT TOO MANY SURVIVORS」

 あなたはたくさん人を残している、と書いてある。

 即ち”敵である兵士達をもっと倒す事を要求されている”という事である。

 時間制限に気を取られ過ぎてしまったがゆえのあやまち、英語など読みなれていないが為に起きた読み飛ばしによる見落とし、元々大量に兵士達を倒さなければいけない状況で、それらを無視して進めばヌルゲーになるのは当たり前であったのだ。

 しかし、答えさえ解ればあとは回答するだけ、答え合わせの為に再度挑んでみると。


▲やはりこれで先へと進めるようだ。


▲あっさりと次のステージへと辿り着いた。

 文章にすると随分苦労したように感じるが、ここまで来るのにかかったプレイ時間はおおよそ10分程である。それほどに1つのステージにおけるボリュームは少ないのだ。

 おつまみ程度にサクっと遊べる、焼酎のお供である「たこわさ」のようなクソゲーといったところ。酒が飲めないのなら何の価値も無いが、たしなむ程度でも飲めるのであればそれなりに味わい深いものである。

 しかし、新たなステージへと辿り着いたが開幕からこの道の狭さである。

 ここまで狭いにも関わらず左の川からもエンジンを積んだボートに乗った兵士達が出現するのだが、これが少々面倒で、


▲こちらの攻撃が当たらず、相手の攻撃だけがおっさんにヒットしてしまう。

 そこで何か攻撃手段は無いものかと、ガチャガチャと適当にボタンを擦っていると、予期せぬ事態に巻き込まれてしまう。

 それは、


……は?


……スイーッと


なるほどね。

 おっさんの体力がまだまだ残っているにも関わらず突然の死。

 いにしえのゲーム特有のセレクトとスタートボタンを同時押しする事により発生する、まさかの「自殺ボタン」があったようだ。

 はは、いやー、何というかこんなこというのも何だが、ほんとに、

シュタゲって名作だったよね。

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