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その情報は本当に正しいのか


統計

信頼区間を得るために必要なサンプルサイズは調査の目的や許容誤差(マージン・オブ・エラー)によって異なる。

▽許容誤差とサンプルサイズ▽
±3%の場合: 約1,800~2,000
±2%の場合: 約4,000~4,500
±1%の場合: 約16,000~18,000

一部の地域で行った場合、例えば日本人が何人いるのかと日本国内で行えば必ず偏りが生じる。まず何の統計データを求めているかという判断が要求され、その回避は場からランダムに選出したり、極地的に行うことで良しとしたりする。そのサンプルサイズをおおよそ2000にすることで95%の整合性が取れるデータとして扱われる。

これは2000以降のデータ量においてその倍のサンプルサイズをもってしても僅かな差でしかないことから、その費用や手間などを考慮して2000のサンプルサイズで十分とされている。


心理学における再現性の問題

2015年に発表された「再現性プロジェクト(Reproducibility Project)」の結果が当時話題となった。心理学の主要なジャーナルに掲載された100本の研究を再現しようと試むも同じ結果が得られたのは36%で留まったからだ。

バイアスの種類

確証バイアス :
自身にある仮説や信念を支持する情報やその説だけを集めてはそれに反する情報を無視して決行し、客観的な判断を歪めてそれを確定とする。

正常性バイアス :
危うい状況に直面しても「自分には関係ない」と考えては適切な行動を取らない。

ダニング=クルーガー効果 :
自身の能力を過大評価し他者の能力を過小評価する。

ハロー効果 :
特定の評価が他の特徴に影響を与え全体の評価が歪められる現象。

自己奉仕バイアス :
成功は自身の能力によるものとし、失敗は外部要因のせいにする。

バイアスがもたらす影響

陰謀論者はこのバイアスから生まれている。

これに知能の差は殆ど無く、例えば曖昧さの回避をしたいと思いながらネットなりで検索を行ったとき、自身の知り得る情報のみに頼ることによってそこにその都合に合わせた情報を掛け合わしたり組み合わせたりしては、そこに『確定』という要素を自身が判断することによってそこにバイアスが生じる。

客観性の欠如によって生まれるその行為はある意味では迷いが無いので、自身にも他者にも最もらしく語れることによってそれがさも正しいという要素に入ってしまい、且つ他者に対してもその断言によって洗脳のように働く。


システマティックレビュー

システマティックレビュー(systematic review)とは、特定の研究課題に関する既存の研究を体系的に収集、評価、統合する方法。

▽システマティックレビューの手順▽
1. 研究課題に関連するすべての文献を漏れなく検索し、収集。

2. その収集した文献を評価し適切な基準に基づいて選定する。

3. 選定された文献を詳細に評価し、質の高いエビデンスを抽出し必要に応じて『メタアナリシス』を用いてデータを統合し全体としての効果を評価する。

メタアナリシス(meta-analysis)

複数の研究結果を統合して分析する統計手法。特に医学分野でよく用いられ、例えば複数の臨床試験の結果を特定の治療法の効果を評価する際に使われる。

メタアナリシスの主な特徴

複数の研究から得られたデータを統合し全体としての効果を評価する。複数の研究を統合することでサンプルサイズが大きくなり統計的な検出力が向上し、更にはバイアスの特定をしてその結果の信頼性を高める。

メタアナリシスはエビデンスに基づく医療(EBM)において最も質の高い根拠とされている。

複数の研究結果を視覚的に表現するためのグラフを用意し個々の研究の効果量とその信頼区間をわかりやすく示す。そうすることで自身にも他者にも結果の一貫性やバイアスの有無を評価しやすくなり、そこに指摘が入っては再度実行されたりする。

論文において誤りがあることもあって、論文の論文、学術的に書かれた論文に対してさらにその整合性を確かめる為にそれを調べる論文は有効性が高い。

しかし、ここにもバイアスが働いてはそれを否定する為に用意されたりもすることもある。が、概ねその研究者達はデータに対して忠実なところもあって、こういった形で徐々に粗が取れていくことになる。

メタアナリシスは個々の研究の限界を補完し、より信頼性の高い結論を導くための強力なツールとなっている。




|最後に….。

しっかりとしたデータのように見えてもそこにはその者の都合が入っていたり、統計データとしての母数が足りないとか、あまりに極地的な場でのデータであるから特定の場面でしか役に立たないであったりと様々な問題がある。

これは知識をいかに持っていようとも客観性が失われることによってその整合性が崩れてしまうことを意味している。

一見してこれは研究者のみに起こりうる原理のようでいて、実は日常で常に発生している問題でもある。その情報は正しいように振る舞っていてその実、そこにはその者の都合が入っていたりする訳だ。

これについてはどうやら各々の持って生まれたものであるようで、解決方法という具体的なものが存在しないことからも、変な話、無駄を愛するという要素が入るとそこに客観性が生まれたりもするのだから、ある種、正解のようなものを簡単に手にできる環境がそうさせていると考えさせられるものである。

|以上….。



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