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本年もお世話になりました。

すっかり更新も滞ってしまいました。
はや2023年も終わりに近づいて来ました。
思い返せば、絵金にとってもウサギのような飛躍の年でした。

今回は絵金に関する今年のトピックスを書き留めておきます。

❶大阪・あべのハルカス美術館「幕末の天才絵師 絵金」展

今年の最大のトピックスはやっぱりこれ。
4/22~6/18に開かれ、絵金単体を取り上げた県外では半世紀ぶりの大規模展。
こちらは以前このnoteでもお伝えしました。

たくさんの方から反響があり、
絵金、そして幕末より土佐の民衆がはぐくんできた
「絵金文化」を知っていただけたことは、本当に光栄なことでした。
私も出品交渉などから関わることができて、改めて良い経験をさせて頂きました。

ちなみに今回発行された展覧会図録は、完売!となりました。

❷絵金関連書籍刊行

絵金展のタイミングに合わせて、今年は2冊の絵金関連書籍が刊行されました。

「絵金―闇を照らす稀才―」

鍵岡正謹=監著
中谷有里・横田恵=著
2023年4月25日発行
144ページ、オールカラー

東京書籍「ToBiセレクション」の一冊。
絵金を知るためのガイドブックとしてつくられました。
絵金の代表作でもある芝居絵屏風をはじめ、絵馬や風俗画、白描など様々な作品を取り上げ、多彩な表現を知ることができます。

こちらも構成から関わらせていただきましたが、
執筆はもちろんのことですが、
掲載した作品は、高知県の各地域にまたがり、
しかも毎年役員が変わる氏子単位や町内会が所有している絵がほとんどとあって、掲載許可をまとめるのにも大変な労力を費やしました。
全ページをカラーで掲載した贅沢な作りになっています。
ぜひお手に取ってみて下さい。

「絵師金蔵 赤色浄土」

藤原緋沙子=著
2023年5月20日発行
祥伝社
四六判

高知県出身の小説家・藤原緋沙子(ふじわら ひさこ)先生による、
作家生活20周年の記念作品です。
幕末という激動の時代を生き抜いた絵金-。
謎に包まれた彼の人生を、独自の鋭い視点で描かれています。

藤原先生からお電話をいただいたのは、刊行の半年ほど前でした。
絵金の人生に関する質問をいただいて、お答えしたのですが、
なんとその後、ほぼ出来上がっていた内容を、大幅に書き変えたと伺いました。
「高知出身の私がなんとか書き上げないと」という思いで、
途中体調を崩しながら執筆した、藤原先生渾身の作品です。

呼んでいくうちに「あ、ここのへんを書き変えたんだな」と気付けるという、贅沢な経験をさせていただきました。

題名どおり、絵金の「赤」に込められた思い、
ぜひこちらもお手に取ってお楽しみください。

❸ニコニコ美術館「絵金祭りを巡ろう」

あべのハルカス展が終わってから急遽こちらに舞い込んだ企画。
コロナで入場制限を設けない通常開催としては4年ぶりの絵金祭り。
ハルカス展で「高知の本場の祭りを見てみたい」という声も多数ありました。

  • アクトランド「絵金派アートギャラリー」

  • 絵金蔵

  • 弁天座の絵金歌舞伎

  • 絵金祭り会場

を巡った4時間近い長丁場の生放送。
「神回」といわれるほど、高評価をいただいた回でもありました。

橋本麻里先生のリードで、
絵金の世界を分かりやすくお伝え出来たのではないでしょうか。

…私はというと、
走り足で行ったリハーサルを引きづって、
本番でリハの続きを前触れもなく話してしまうという
恥ずかしいエピソードも。

こちらの回のアーカイブは無期限公開していますので、ぜひご覧ください。
そしてぜひ本場の絵金祭りを訪れるきっかけに…


…ということで、たくさんの方に支えられながら、
絵金が多くの方に知っていただけた年となりました。

辰年にあたる来年は、念願の県外展の巡回も決まり、
さらに力強く絵金の紹介に努めていきます。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。



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