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3分20秒を切るペースをどこまで維持できるか
新谷仁美選手の2022東京マラソンへの出場が正式に発表された。具体的な記録や順位に関しての明言はないが、横田コーチは「シンプルに3分20秒を切るペースをどこまで維持できるか」というレースプランを発表した。鍵は1km3分20秒というラップタイムにある。
本日のペースメーカー設定。
— EKIDEN News (@EKIDEN_News) January 30, 2022
#大阪国際女子マラソン pic.twitter.com/GGikKf0xet
大阪国際女子マラソンでのペース設定も1km3分19-20秒と設定されている。つまり、2時間19分台というのが、日本女子マラソン界が世界と戦うために、求められ、期待される数字であることはわかる。
大阪国際女子マラソンにおける松田瑞生選手の通過タイムだ。ぜひ拡大してみてほしい。前半20kmまでは設定どおりのペースで推移していることがわかる。しかし、20-30kmが極端にペースアップしている。このあたりは御堂筋。一番フラットで道路もよく走りやすい場所だ。ランナー心理として、25kmくらいが身体が一番動くところ、ここで5kmあたり10秒以上あがってしまう。フラットな場所で極端にペースをあげた反動は大きい。リズムそのものがかわり省エネモードだった身体がハイスピードモードに切り替わってしまうからだ。その代償は難所の坂道が待ち構える30km以降に一気にでてしまう。16分30秒台で走りたかった区間で17分台までにタイムが落ちてしまう。頭は「行ける!」とGO出すが、身体は知らず知らずのうちに無理をしてしまっている。フルマラソンとは如何にレースマネージメントが大事であるかが、この数字からも読み取れると思う。
松田選手にとっても、新谷選手にとっても1km3分20秒というペースそのものは、きつくはないはずだ。それをいかにマネージメントし、どこで上げるか?という自分の体とコース特性との見極めが鍵となる。
新谷仁美選手の16kmビルドアップ走を取材する機会を得た。早朝の八王子のグラウンドには新谷選手と横田コーチと新田コーチの3人。アップを終え、スタート地点に向かう新谷選手の表情や振る舞いは日本選手権のスタート前と全く同じ緊張感がただよう。
しかし、いったん腹が決まると新谷選手はすごい。
そして、ペースメーカーとしてひっぱる新田コーチのギリギリまで寄せてくる。おかげで新田コーチは左腕が振れない(笑)
大阪国際女子マラソンで松田瑞生選手が自身の前にペースメーカーをおかなかったこととは対照的である。3分20秒からのビルドアップは距離が増えるごとにきっちりあがっていき、最後は設定を上回るペースでフィニッシュした。
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