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2024年10月23日今日の一枚

「ホクレンで調子が良かった選手は、
 早ければ秋、おそくとも翌年はブレイクする」
という自説がある。結構、長いこと毎年ホクレンディスタンス通いを続けてきただけに、これについては結構自信がある。というか、記録や選手名の物覚えが悪い筆者にとって、大事にしていることは「印象」だったりする。いい走りだなあ。あっ、またあいついい走りしてる。と回数を経ているうちに、その選手のことを覚えていく。近年、北海道の気温もあがり、好タイムは出にくくなったとはいえ、「ホクレンでのいい走り」は角度の高いベンチマークになっている。

が、今年は選手だけでなく、チームが加わった。「ホクレンで調子が良かったチームも早ければ秋、おそくとも翌年はブレイクする」というものだ。今年のホクレンディスタンスシリーズ全体で印象に残っているチーム。それは実業団チームではなく、圧倒的に中央大学であった。ホクレンディスタンスというのは、ペースメーカーとペーシングライトもつく記録会であるから、設定タイム通りに集団についていき、ラストをあげれば記録が出る。というシステムになっている。大学生たちは実業団のお兄さんたちにくっついていけば、それなりに楽にタイムが出るはずなのだが、今年の中央大は違った。とにかく先頭を走り続ける。自分でレースを作ろうとする強い意思がどの選手からも伝わってくるのだ。網走で溜池が出した27分52秒38というタイム。これも序盤から先頭を走りつづけて出したタイムだ。実業団選手に前を走らせ、ついていくことだけに専念していれば、もっと良いタイムが出ただろう。でも、それを良しとしないムードが中央大にある。とにかく前へ、前へ。と出ていくのだ。

春先に溜池が走り、何もさせてもらえずにレースを終えたTHE TEN10000m。契機はあそこにあったように思う。ひとつ年上の大学生、ノースアリゾナ大学のニコ・ヤングが同レースで10000m26分52秒72で走り26分台へ。同世代のすさまじい走りを目の当たりにしたとき視座が大きくあがった。その影響が中大全体に広がっているように感じる。

今日の一枚は箱根駅伝予選会の翌日に行われたレガシーハーフ。中央大1年生の田原琥太郎選手が初ハーフ1時間3分34秒で走った。箱根駅伝予選会に中央大は1年生が5人出走した。田原選手は予選会メンバーからは外れた選手である。レガシーハーフは天然サウナ状態の箱根駅伝予選会とはうってかわって、ハーフマラソン日和。しかし、終盤に強烈な登りが待ち構えている難コースでもある。1年生をしてこの層の厚さ。全日本大学駅伝から始まる中央大の駅伝シーズン、トラックのときのように「前へ前へ」と展開するのだろうか?どういうレースをするのか楽しみでならない。


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