速報じゃなく感想戦という遅報。
ずいぶん前に「日体大終わったあとに青葉台の居酒屋くらいで、その日の動画を観ながら、あれこれいいあうような番組」があるといいなあ。そんなことを、みんなで話していると、確か、スポーツジャーナリストの生島淳さんだったかなあ、「それって感想戦っていうんですよ」と教わったことがある。感想戦とは将棋や囲碁などを対局後にその展開を再現しながら、その手法や思考などを、あれこれと語りあうというもの。感想戦こそが、将棋や囲碁の文化を豊かにしているものだと。
常々、レース直後のインタビューで構成される陸上記事を読みながら、自分が選手だとして、まだ、汗も流れ、心肺も落ち着いていないときに話を聞かれても、まともに話もできないよな。とは思っていた。一方で、フルマラソンを走り終えたあと、仲間と居酒屋にはいると延々と、それこそ走った時間以上にそのレースを振り返り話し続けてしまう。フルマラソンで4時間を超えたことは一度もないが、その後の打ち上げはいつも4時間超えだ。
つまり、少し時間を置くことで自分を振り返ったり記憶が呼び戻されたり、つながったりして、より自分の中でいろんな感情や思考が熟成されていく。野球やサッカーのように立ち止まる時間やハーフタイムがある競技と違い、100mであれば、10秒そこらで競技が終わってしまう陸上競技こそ、感想戦が必要だ。
そんなことを話しているうちに、ついに機会がやってきた。ホクレンディスタンスのライブ配信アーカイブをもとに、実際にそのレースを走った選手と映像を観ながら振り返るというものだ。「まずはやってみましょうよ」と、日本陸連の畔蒜さんが、アーカイブの使用許可などを調整してくれて、このアイデアに、柏原竜二さん、ヤクルト小椋裕介選手、GMO渡辺利典選手、サン工業桃澤大祐選手が楽しみながら参加してくれた。
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月刊 EKIDEN NEWS
月刊といいながら、一日に何度も更新する日もあります。「いつかビジュアルがたくさんある陸上雑誌ができるといいなあ」と仲間と話していたんですが…
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