タイピング練習について
うちの学校では、タイピングの練習に独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センターが提供している「やってみよう!パソコンデータ入力」を使っています。
なぜこのソフトなのかというと、県の技能大会で使われるソフトだからです。
正直なところ、ブラウザで使えるタイピング練習サイトなら1人1台端末でも練習できますし、アニメーションで興味を持つことができます。
小中学部では「寿司打」が使われているようです。
個人的には「イータイピング」が、レベルチェックができて、かな入力にも対応しているので好きです。
でも、高等部では、先輩が「やってみよう!パソコンデータ入力」を使って大会に出場する練習をするのを見ているので、このソフトで良い成績を取りたいという動機づけを持っています。
2011年3月公開ということは、東日本大震災と同じ時期なので、13年前ということになりますが、基本的な機能はwindows10でも11でも問題なく動いています。
ただ、Windowsの入力の設定(予測変換や辞書)の場所が微妙に変わっているので、ソフトの「指導者用ユーティリティ」からは直接開けなくなっています。
直接IMEの設定を開いて設定するようになります。
ところがこれが厄介で、Window10のバージョンによって、「設定」、「プロパティ」と呼び方が違います。
また、予測変換と辞書の設定も微妙に場所が違います。
まあ、時間をかけて探せば対応できると思います。
問題の出題方法は、番号順とシャッフルを選ぶことができます。
また、問題を紙に印刷することもできます。
シャッフルの時は問題を画面に表示させないと実質できませんが。
成績もCSVで保存され、試行ごとに一覧表示することができるので、練習結果の推移を確認することができます。
ブラウザベースのタイピング練習サイトや市販のタイピング練習ソフトと比べれば地味ですが、機能としてはかなり充実しています。
タイピングの練習について他の教師と話していると、よく言われることがあります。
「タイピングがうまくても就職には結びつかないよね。」
その通りです。タイピング「だけ」ではダメです。
なぜそんな当たり前のことを聞くのかと腹立たしくなります。
情報の授業でタイピング練習だけをやっている訳がありません。
肢体不自由の生徒の場合、手指に障がいがあればタイピング技能にも影響があります。
スムーズにキーボード入力をするには、「ある程度」の練習が必要になります。
でも、県内トップレベルの入力技能が無くても、業務の遂行に支障が無い程度の技能があれば良い訳です。
もっと言ってしまうと、音声入力や視線入力、フリック入力などもあるので、キーボード入力にこだわる必要もありません。
タイピングの速さと正確さは数値化できてわかりやすい指標なので、目標に設定するのは良いですが、それですべてがかなうわけではありません。
タイピング練習に時間をかけすぎずに、生徒の可能性を広げていくという視点は外してはいけないと思います。