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【エッセイ】じゅて~む 第八夜

【あらすじ】
N県新潟市やN県長野市でコント活動をする集団の、コント台本を担当している江尻晴子が、架空の男性・達太としてエッセイ連載にチャレンジ。
タイトルの「じゅて~む」は愛しているという意味だが、架空の男性・達太が主人公の小説「じゅて~む」からの引用でもある。
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まずは自己紹介から。
俺は達太。38歳。会社員。

身長は170センチだろう。な。

似ている音楽家は、バッハ。

日本の音楽家だと、ウクレレ奏者の高木ブー。
でも楽器は弾けない。よろしく。

今日のテーマは夢。

夢占いってあるでしょ。あれ、本当に当たるのかしら?
俺は信じないね。

昨夜の俺の夢を紹介しよう。
夢の中では、なんでも俺に、生き別れた双子の妹がいるという・・・。

もちろん、俺そっくりだという。

しかも、俺は男、妹は女であるにも関わらず、一卵性双生児だという!
(性別が異なるというのに一卵性とは。夢の世界の深刻な理科の知識不足があらわに。)

そっくりか、では生き別れているとはいえ見つけやすいな、と夢の中でも冷静な俺は考える。
聞きまくればいいのだ、似ている女性を見かけませんでしたかと。

もちろん、夢の中でも俺は、どちらかといえばせっかち。

すぐに、妹を見つけた。オープンテラスのカフェでだ。
しかもパリの老舗のカフェ。

(せっかちだから妹を見つけられる、など、やはり夢の世界は知識不足。しかも俺がパリにいるわけなかろうに。)

そして驚いたことに、妹と一緒にいるのは、背の高い美形の実業家と、背の高い美形のテニスマン。

妹を奪い合っている。
俺にそっくりの妹は、おろおろ。
「私のために喧嘩はやめて」と泣いている。

俺は妹を泣かせる男を許せない、兄として・・・。

という夢だった。

この夢が現実になるとは思えない。だから、夢占いは信じないね。

もっと言うと。
夢は深層心理の現れ・・・、という説も、信じないね。

昨夜の夢が動かぬ証拠。夢の中の妹は、つまりは俺、俺の投影。

いくら背の高い美形の実業家と、背の高い美形のテニスマンだからといって、俺が、パリの男2人にモテたいわけがない。
パリ男(ぱりおとこ)2人に両側から「じゅて~む」と囁かれても、「は?」と思うだけだ。

俺の深層心理は、清楚だが妖艶なショートカット黒髪の女と、清楚だが妖艶なブロンズのロングヘア美女に、奪い合ってもらいたいと深く強く願っている。

しかし。
あっちの方の夢は、皆に大事にして欲しい。特に少年少女や青年には、小指を立ててお願いしたい、あっちの方だけはと。

ちなみに。俺のあっちの方の夢は、このエッセイが書籍化されること。

書籍化を、強く、深く、望む。

じゅて~む



・・・。
・・・。
・・・今夜のエッセイは、実はお礼の意味合いがある。
ここ2日間、パソコンが壊れかけていた俺。
そこでとあるコント集団の山本団〇にそれを相談した。
※山本団栗(どんぐり)では、ない。

しかし結局、土日になんとしてもエッセイを書きたい為、山本団〇に相談したことを忘れて、パソコンのコールセンターのレディに俺のパソコンを治してもらった。しかも。優しく・・・。
(このエッセイは平日に書くわけにはいかない。断じて・・・。)

山本団〇は「夢」に強い小説家が好きだ。俺と同業の筒井康隆氏をはじめ。
だから感謝の印に今回のテーマは「夢」とした。
※山本団栗(どんぐり)でいいような気がしてきた。

どうだったろう。
このエッセイの発表をもってして、パソコン復活の報告としたい。

じゅて~む

(連載当時、毎週土日に更新していた名残の文章が残っております。江尻)

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