ロンドンでのパニック発作再発①
ロンドンで働いている間にパニック発作を起こした。
普段はロンドンのレストランでバイトをしている。
いつものように、忙しく店内を駆け回っていた。
忙しい環境には、自分は慣れている。感情を無にして、ひたすら身体を動かしていれば、時間もすぐに過ぎていく。
むしろ、完全に暇な時間よりもマシかもしれない。
ビジネス街にある店舗は、平日が非常に忙しい。
外の席もあるため、ケアするべきテーブルが多い。
あちこち、対応していた際に、ふと自分の呼吸が浅くなっていることに気がついた。
あ、このまま過呼吸みたいになったらどうしようという不安が脳内を駆け巡る。
今まで過呼吸なんかになったことはない。しかし、なってしまったらどうしようかという、無駄な想像が過度に働いてしまう。
そこで、普段は完全に忘れていたパニック障害の存在を急に思い出す。
いつものように、一瞬脳をよぎり、予期不安は去っていくのかと思いきや、
今回はなかなか、不安が頭から去っていかない。
呼吸を意識しようと、必死に、深い呼吸を試みる。
それでも、胸のソワソワ感は一向に消えていかない。
このような自己との闘いを15分ほど続けていた。
そしてついに、このままではあの波がやってくるぞ、という恐怖の波が
押し寄せてくる。
こうなったら、頓服薬を飲むしかない。
そう思い立ち、2錠服用した。
その後は、ソワソワが和らぎ、通常通り何事もなく、
過ごすことができた。
夜の23時にやっと帰宅し、その日のパニック発作を振り返る。
今日はなんとか、乗り越えたし、薬を飲めば、なんとか発作をしのげることを分かっている。
ただ、あの職場にまた行くのが怖い。
明日からどうしようか、という不安で頭がいっぱいになり、
誰かに電話して話を聞いてもらう気力すらなかったが、
とりあえず、最大の理解者である母に電話した。
私「また、発作が出ちゃった。もうこっちでは出ないと思ったのに、ショックだった。」
母「とにかく、誰かに相談しなさい、アドバイスをもらいなさい、自分一人で抱えないで」
私は、忍耐強く、鈍感な性格のおかげで、自分のストレスレベルに全く気づかないパターンがこれまでほとんどであった。
人に相談するということも滅多にしない。自分で何もかも解決できると勝手に思い込んでいた。
母「パニック障害の何が悪いの?誰が完治しなさいといったの?パニック障害でいいじゃない」
「メンタルの病気を持っていることは、当たり前、みんな当たり前に経験をしている。障害を持っているから劣っているとか、そんなことはありえない。」
予想外の返答だった。
パニック障害を再発してしまったショック。完治しないことへの悔しさ、でいっぱいだった。
別に、パニック障害でいいじゃない。
の一言で、その時背負っていた重いものが、ふと肩から落ちていった。
不思議な感覚だった。
そうか、完治させようと思うから、辛いのか、
認めて、受け入れて、パニック障害である自分を愛することができればいいのか。
そう思えた瞬間だった。
次の日は、たまたまオフの日だった。
朝起きた瞬間から、不安でいっぱいだった。
もし布団から、起き上がれなかったらどうしよう。。
この後、地下鉄に無事に乗れるのだろうか。。
私は、今年10月までは少なともロンドンにいるつもりだ。
しかし、このメンタルの状態で一人でやっていけるのだろうか。
このあと、友達が日本から、ロンドンに尋ねにきて、
一緒にポルトガルを周る予定でいた。
果たして、ちゃんと飛行機に乗れるのだろうか。
色々な不安が脳を過ぎる。
不安に押しつぶされそうな、孤独な日々を味わった。
そして、ただただ無事に次の日の朝、
ベッドから身体を起こせる状態であることを心から祈った。
ロンドンでのパニック発作再発②に続く。。⇨
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