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■ 其の319 ■ 一冊の本11月号 ≪2≫
📘朝日新聞出版の「一冊の本」11月号から抜粋 昨日につづき2つ目です。
📕言語学者 川原繁人さんによる連載からで、
タイトルは、
「生成AIおしゃべりアプリ」は子どもにとって毒か薬か
やはり「結局、生成AIは毒なの薬なの?」という質問に対する結論を求められます。私の答えを端的に申し上げますと、「毒か薬かは正直わからない。しかし、今の時点では臨床試験を経ていない新薬のようなもので、リスクが想定される限り、慎重になるべき」となります。
前回の論考では、考えられるリスクとして、次の四点を論じました。
➀生成AIは主に書き言葉を学習データとし、人間は音声から言語を学ぶ、という決定的な違いがあるため、生成AIの出力は人間言語とはみなせない。
②生成AIは脳や身体を持っていないので、その出力の背後に、感情も意図もない。
③生成AIは他者の気持ちや知識を推測する「心の理論」を呼ばれる能力を育む機会を提供できない。
④生成AIの出力は、デジタル化された聴覚情報と二次元で単純化された視覚情報に限られるが、人間の成長には五感すべてへの刺激が重要である。
「生成AIからまともな回答を得るためには、それなりの質問の仕方があるので、質問力の向上につながるのでは」という意見がありました。しかし、私としては「生成AIに質問する力」よりも「生身の相手とコミュニケーションを取る能力」の方が重要だと思います。人間を相手に質問しながらコミュニケーションを取っていくことだって、簡単なことではありません。子どもがまず身につけるべきは、「生身の人間との対話スキル」ではないでしょうか。
┄┄アナログ度の高いわたしには、共感できる内容です。
┄┄デジタルも、デジタルを超増幅したAIも、実際はアナログが含有してい
る総情報量には敵わないと思っています。