■ 其の129 ■ 奇跡のスリーショット
■2022年7月2日午後4時過ぎのことです。場所は広島の老舗デパートそばの歩道です。それに気付いたのは、多分わたしだけだったと思います。
伝説のホームレスと、暴力団員と、国会議員が、ワンショットの場面に偶然集まりました。
■伝説のホームレスとは、通称「広島太郎」と呼ばれる男性です。
その奇抜な姿が作品として現代美術館に展示されたり、NHKで特集番組になったこともあります。ウィキペディアにものっています。
長年この繁華街を住みかとしてきた太郎さんは、多くの所持品と共に生活してきました。その日は、街路樹の根元に(わたしたちの目にはゴミにしか見えないような)大きな袋の塊を20個ばかり並べて置いていました。
翌年五月にサミットを控えていたこともあってか、市はクリーンな街づくりのために、彼に所持品(家財品)の撤去を求めて貼紙をしていました。
■さて次の暴力団員ですが、アーケードの入口に黒塗りの高級車を横付けし、運転席から黒いスーツ姿のコワモテ男性が降りてきました。周囲を見渡す眼つきが違います。おそらく親分か兄貴分の出迎えに来たのでしょう。
■そして最後は、参議院議員選挙の期間中に、街頭演説をしていた初当選を目指す男性候補者です。 トレードカラーは青📘。
青いポロシャツを着た運動員に囲まれ、青いのぼり旗には、「ワクワクする未来、創れる」と書いてありました。
実際に目にした人だと気になるものです。結果が出たのは翌朝で、参議院の最終当選者でした。あれから一年半が過ぎた今、裏金問題などで逆風が吹く自民党にいて、国民をワクワクさせるどころではないでしょう。