■ 其の315 ■ 選挙と子どもへの影響 (塾の通信をそのまま転記)
🔴先月27日に衆議院議員選挙が行われましたが、投票へは行かれましたか?
あれはまだスマホもなかった頃です。わたしが横川駅のモスバーガーにいると、となりのテーブル席に座っていた進学校の女子高生4人が熱心に政治の話をしていました。年代や属性に関係なく、関心を持っている人は持っているなあと思ったものです。
日ごろ意識していなくても、わたしたちが生きているということは、それはすべて政治に繋がっています。ですから、興味が無いとか、関係ないと言ってスルーしていると、巡り巡って自分の不利益になる気がします。
🔴いま中学3年生は、社会科の公民で憲法や政治について勉強しています。
地理や歴史は教科書を読めば大方の内容は理解できます。
ですが、公民は政治や社会のしくみに関心を持っている大人の話を聞かないと、なかなか実感できません。
なので、リビングでニュースを見ながら、あーだ、こーだとたわいもない話をしたり、選挙の時に「職場の関係でAさんに入れないといけないんだ」 とか 「Bの政党は信用できないからイヤだ」といった会話をするのは大切なことです。
🔴今回広島県の投票率は50%を切り、全国最下位でした。
よく投票に行かない理由として、「入れたい人がいない」とか「自分が投票してもしなくても結果は変わらない」と言われます。
また「若い人は政治に関心がなくて投票率が低い」なんてことも言われます。
ただわたしは、選挙に行かない理由は、そもそも投票に行く習慣がないことが大きいような気がします。当り前過ぎて意識されにくいですが、実はそれが一番の理由だと思います。 習慣がひとを造るということです。
というのも、わたしは毎回欠かさず投票に行きますが、「入れたい人がいない時」 でも 「自分の一票が今回の結果を左右しないと分っていても」、選挙に行くのをやめようとは思いません。
政治的意識が高いとか、投票するのが義務だと思っているというより、もはや習慣なのです。正月に初詣に行ったり、夏にキャンプに行くのに近い感覚です。
逆にいえば、選挙に行かない人の多くは、行かないことが習慣化・常態化しているのでしょう。
ですから今後は、投票に意味がある / ないではなく、選挙というイベントに参加してみるという意識で投票所に出向いてほしいです。
🔴ひとは自分の生活から 「しなくても構わないこと」 を切り捨てていくと、徐々に人生が縮んでいきます。
人生の幅を広げている大人と、現状維持や縮小している大人とでは、子どもに与える影響が違うのは想像できますよね。
それは勉強や学力にも関係しているはずです。
とはいえ、子どもの成績を上げるために選挙に行くとか、社会への関心を高めましょうと言うわけではありません。
まずは自分自身のため、そしてそれが子どもへも波及するという話です。
🔵では今回広島の6つの選挙区がどんな状況だったか見ていきましょう。
〈広島1区〉
府中町はこれまでずっと広島4区でしたが、今回から1区に組み込まれました。ご存じのように9月末まで総理だった岸田さんの選挙区へと変わりました。 前回の岸田さんは得票率が80%を超える圧勝でしたが、今回は立憲や維新からも立候補者が出たこともあり、得票率は52%と大きく下がりました。
総理大臣経験者として納得できる結果ではなかったと思います。
〈広島2区〉
今回、総選挙の主役に躍り出たのが国民民主党です。玉木代表は今後の政局のキーマンになるということで、連日テレビに露出しています。
その国民民主党から2区で出馬したのが福田玄さんです。小選挙区では自民党の現職に敗れましたが、比例代表枠で復活当選しました。
わたしは国民民主党に思い入れはなかったのですが、自民党はNGなので、福田さんに入れました。
〈広島3区〉
公明党で国土交通大臣の斉藤鉄夫さんが、順当に当選されました。
選挙の翌日、たまたま車で斉藤さんの事務所の前を通ったら、ご夫婦で道行く人や車に向かい、お辞儀をしたり手をふってお礼のあいさつをしていました。 今回の選挙で公明党は党の代表と副代表が落選してしまい、斉藤さんが新しい代表になることが決まりました。
〈広島4区〉
新しい4区は府中町や海田町が抜けて、東広島と呉を地盤とするエリアになりました。当選したのは日本維新の会の空本誠喜さんです。以前から府中町内にポスターが貼られていたので、ご存じの方もいることでしょう。
かつて生徒が空本さんのことを「ほとんど人がいない所で熱心に演説している姿を見て、投票してあげたくなった」と言っていました。
なお落選した自民党の寺田稔さんは比例代表で復活当選しています。
〈広島5区〉
瀬戸内海に面した尾道から、中国山地の庄原にいたるまでの広いエリアが広島5区です。
今回は立憲民主党の佐藤公治さんが当選。 自民党の小島敏文さんは比例代表でも復活できずに落選しました。
3月にわたしが庄原で行われたイベントに行った際、当時国会議員だったお二人が、来賓として最前列に並んで座っていたのを思い出します。
現在74歳の小島さんは、次の選挙に挑戦するか、引退するかの分かれ目だと思います。
なおこの地域は、すでに政界から引退している88歳の亀井静香さんが、今でもドンのような存在です。
〈広島6区〉
県東部の福山地域が6区です。かつては宮沢元総理の地盤でした。
県西部のわたし達にとっては、繋がりが薄く、正直いって他県のような感覚かもしれません。
自民党の41歳小林史明さんが5回連続での当選を果たしました。当面敵なしの状況が続くと思われます。