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■ 其の219 ■ TVの見方
ボクらの時代 / だれかtoなかい / news zero
生徒と話をしていると、中高生は本当にテレビを見ていないし、テレビに興味がないんだなと感じます。 キャッチーなネットもいいけれど、多くの作り手のエネルギーから生み出されるテレビ画面も見てほしいと思っています。 最近気になった三番組についてです。
📙3人で話し合いをするのを鼎談といいます。
フジテレビの日曜朝の「ボクらの時代」はその代表でしょうか。
ふつう我々が三人集まって話しをしたら、どうなるかと言えば、
1.話し好きなひとりが主役状態で、あとの二人が聞き役にまわる
2.二人が会話しているのを、一歩引いた感じのひとりが聞いている
しかしボクらの時代に出ている3人は、演じたり見られたりするプロなので、三者がバランスを取り合いながら自然な感じでトークをしています。
話の内容も興味深いですが、わたしは、三人で上手く場を取り仕切りながら、結果的にテレビ作品をつくっている様子に感心します。
📙一方、「だれか to なかい」 はテーブルを囲んだ四者がトークをすすめていくものです。コーディネイトする司会が二人、ゲストが二人の構成です。
トークを進める中で、各人が立ち位置や、役回りや、落としどころを見定めながらおこなう即興劇的なセッションという感じです。
ときおり流れが詰まって、それを何とか軌道修正して切り抜けていく場面も見受けられます。松本さんなら、一言でその場の空気を変えておさめる事ができますが、今そんな人はいません。 当初の設定が崩れたため、模索しながら番組を続けている生々しい危うさが、案外この番組の見どころだと思います。
📙先日、夜のニュース番組、 news zero を見ていたら、キャスターの櫻井翔さんが自動運転の取材をしていました。
一般道を完全自動運転できる車に同乗するというものです。手離し状態の車は、周囲の状況を判断しながら進んでいきます。横断歩道を渡る人や自転車にきちんと対応している様子に、櫻井さんは驚き感動していました。
一見スゴイなあと感じる映像ですが、これはあらかじめ用意されたニュース取材で、予定調和の域を出ていませんでした。
もし櫻井さんが、
「今日雨だったら、同じように走れましたか?」
「こちらが安全運転でも、人や車がぶつかってきたら、どう対応するんですか?」
「このレベルの車だと、一台いくらするんですか?」
「カメラやセンサーは、逆光や夜間でも正しく認識するんですか?」
といった、視聴者が感じるような質問をしたら、日産の担当者はどんな顔をしていたでしょう。
※テレビは本音で語ったり、本気で突っこむのが難しいメディアです。 そういう面では、You Tube などの個人発信メディアには敵いません。スポンサー問題等もあるでしょうし。
ですがもう一歩、二歩、これまでタブーとされた領域にも踏み込んでほしいです。そうすれば若い人たちも少しは戻ってくる気がします。