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漱石先生の『草枕』

山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。
情に棹させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。

これは漱石先生の書いた『草枕』の冒頭部分で、多くの方が聞いた事がある出だしだと思います。
非常に印象的な書き出しですね。

漱石先生の『草枕』は、日露戦争の頃、30歳の画家が「非人情」を求めて旅をし、那古井温泉で出会った女性・那美との交流を描いた作品です。

画家は那美がいつも芝居をしていると分析し、彼女の美しさに魅了されます。
那美は出戻りで周囲からは気狂いと言われていますが、画家は彼女の中に本当の美しさを見出します。

ある日、那美の従兄弟が戦地へ旅立つのを見送り、その際に那美の表情から「憐れ」を感じ取り、画家は絵を描くインスピレーションを得ます。

私は漱石先生の作品を通じて、自分自身の生き方や美意識について考え、漱石先生の文学が現代にも通じる普遍的な価値を持っていると感じています。

私にとって、漱石先生の作品は単なる物語以上のものであり、人生を豊かにする哲学的な教訓を含んでいます。

漱石先生の作品には、時代を超えた美しさと深い教訓が込められています。『草枕』を読むたびに、私は自分自身の内面と向き合い、人生の真実を探求する旅に出るような気持ちになります。

先生の描く非人情の世界は、私たちが日常で忘れがちな、本当の美しさや憐れみを思い出させてくれるのです。この作品は、私にとってただの小説ではなく、生きる指針となる一冊です。

私にとって、漱石先生の作品は常に新鮮で、人生における重要な指針となっています。

作品の後半では、漱石先生の書いた俳句
木瓜咲くや、漱石拙を、守るべく
と、世の中に拙をまもるという人がいるが、そうした人は生まれ変わったらきっと木瓜の花に生まれ変わるだろう…と拙についても触れています。

漱石先生の『草枕』は、多くの読者にとっても同様に、心に残る作品となっていることでしょう。

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