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DMの栄養相談のコツ

糖尿病は食事と密接な関係があり、私見ですが、どんなに薬をしっかり飲んでいてもお食事の影響を受けてHbA1cや血糖値が高くなってしまうことがあります。そのくらい食事の影響力は強いのです。
糖尿病は食事以外にもホルモンや薬の副作用の影響も受けるため、必ずしも食事が影響しているとは限りませんが、私たちは管理栄養士である以上、
食事と血糖値が関係あるのか、ないのかを判断してDrに報告する必要があると、個人的には思っています。その報告によって治療方針が変わることが何度かありました。
このnoteを読むことで、少しでも糖尿病の栄養相談の悩みが解決されれば幸いです!

検査数値の意味がわからなかった過去の私

私が糖尿病の栄養相談を始めて悩んだことは、どうしてこんなふうに血糖値が上がっているのか?どうしたら下がるのか?がわからないということでした。(他の疾患でも同様ですが…)
今では血糖値の変化に関して原因を絞ることができるようになりましたが、糖尿病の栄養相談をしていると患者さんの方が栄養に詳しいなんてことはたくさんありました。
必死になって管理栄養士の資格を取ったのに、私は何も知らないんだと無力感を感じました。その時の無力感が原動力になってもっと勉強して目の前の患者さんを救いたい!栄養相談を通じて少しでも悩みを解決したい!と片っ端からセミナーを受けました。

Xでも何度もご紹介しているのですが、安達美佐先生の「ライフスタイル改善の成果を導くエンパワーメントアプローチ」の本がとてもおすすめです。
食事摂取基準と併せて栄養士のバイブルです。
私は安達先生のセミナーを受けながらこの本を何度も開いて辞書のように使っていました。安達先生と、この本に出会わなかれば今の私がいなかったと言っても過言ではないくらいの書籍です。もしよければ一度お手に取ってみてほしいです。

検査数値と食事の関係

他の疾患にも通じることですが、栄養相談をすることになったら、まずはカルテから検査数値の変化や病歴などを確認するようにしています。
糖尿病の場合は、血糖値とHbA1cがメインの検査数値になります。
それ以外だと
TGやUA、BMIも糖尿病と影響することがありますので一緒に確認しています。

糖尿病で禁止としている2つの食品

基本的には糖尿病は食べてはいけないものは何もありませんが、
清涼飲料水と飴は食べないようにお伝えしています。
この2つはHbA1cを1%以上あげてしまう可能性があるため、食べないようにお伝えしています。

清涼飲料水は検索すると出てきますが、ジュースには10個ほど砂糖が含まれていたり、熱中症予防として飲んでいるスポーツ飲料や果汁のジュースなども要注意です。果物は生で食べる分には適量範囲内なら問題ないですが、液体で飲むことで血糖値の急上昇、急降下につながりやすいです。
とにかく飲み物は、水、お茶、ブラックコーヒー、ストレートティーしか飲まないようにお伝えしています。

意外かもれませんが、飴も同様に砂糖をたくさん含んでいるため、血糖値が上昇しやすい食品の1つになります。

清涼飲料水と飴を摂取していてHbA1cが1%以上上昇ている、頻度が週に4回以上であればすぐに中止していただくようにお伝えしています。

HbA1cとFBSについて

血糖値に関しては、まず空腹時なのか、食後何時間の採血結果なのかを必ず確認するようにしています。
クリニックによっては、毎回空腹時しか採血しないところもあれば、空腹時だけではなく、たまに食後の血糖値も確認する場合もあります。
空腹時血糖値は略語で様々な書き方がありますが(「FPG」「FBS」「FG」)、今回はFBSで統一して記載していきます。

大まかなポイントとしては、
FBSが低いにも関わらずHbA1cが高い→日中に高血糖になっている可能性がある
FBSが高くてHbA1cも高い→夕食後以降に高血糖になっている可能性がある
ということです。
下記に、このように原因を絞れる理由を記載します。

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