カッパドキアから次の街へ ―自分で決めるということ
バスが速度を落とすのに気付いて目が覚めた。数人の乗客が降りる準備をし、バスは雨のターミナルに滑り込んでいく。窓の外では、鼻筋の通った男の子が両親と抱き合っている。名残を惜しむように何度もお別れを告げ、ステップを上がって前の席に座った。窓越しに手を振りながら、今度は電話をつないでさよならを言っている。
昨日まで一緒だった女の子と別れて、僕は一人で長距離バスに乗っていた。カッパドキアへのバスで出会ったパキスタン人エンジニアの女の子だ。予約していたホステルがたまたま一緒だったから