第四回・フィラリア検査の重要性〜犬編~
皆さん、こんにちは。
今回の記事は犬に関する内容です。
だんだん暖かくなって、お散歩が楽しい季節になってきましたね。
さて、皆さん、フィラリアという言葉は聞いたことありますか?
フィラリア症(犬糸状虫)は、蚊が媒介する寄生虫感染症です。
フィラリアに感染している犬の血液中には、ミクロフィラリアという小さな仔虫がいます。
その犬の血液を蚊が吸うことで、ミクロフィラリアが蚊の体内に入ります。
そしてその蚊が別のわんちゃんを刺すと、
ミクロフィラリアがそのわんちゃんの体内に入ります。
フィラリアは皮膚から血管に入り、最終的には心臓に寄生します。
そして、フィラリアはミクロフィラリアを産み、また全身に広がります。
フィラリアが寄生する場所は心臓ですから、
致死的な急性症状を起こすこともあります。
このように怖いフィラリア症ですが、予防さえしっかりしていれば、確実に感染を防ぐことができますよ!
ただし予防の前には、検査が必要です。
「フィラリアを予防するお薬」というと、つい
「フィラリアが体内に入らないようにするお薬」、「蚊に刺されないお薬」
のように考えてしまいます。
しかし実は、これは『予防薬』ではなく『駆虫薬』で、
ミクロフィラリアが体内に入って心臓に到達する前に、駆除するお薬なのです!
万一、フィラリアに感染している犬に投薬してしまうと、
血管内に多数存在するミクロフィラリアに影響し、ショックを起こすことがあります。
ですから、フィラリア症の予防を安心して開始するためには、
事前検査は欠かせません。
2ヶ月以上飲み忘れてしまった場合、感染リスクが上がりますので、来年の春に事前検査を必ず行いましょう。
獣医師 山下