【大学入学共通テスト】これから共通テスト・生物に挑む人へ
こんにちは。穎才学院講師のYです。今日は、2022年1月16日に実施された〈令和4年度大学入学共通テスト(本試験)〉の生物の解説を行います。さらに、共通テストで生物を受験する予定の方に向けて、勉強法の解説をしていきます。
総評
昨年度に比べ平均点が大きく低下していました。ただ、問題内容が大きく難化したというわけではなく、むしろ問題の形式に苦しめられた受験生が多かったと考えられます。特に、正答を過不足なく選ばせる問題や、実験考察問題の多さ、膨大かつヒントが散らばったリード文などが平均点の低下の原因となったと考えられます。
以下、興味深い問題をピックアップして触れていきます。
各問解説
第1問
問1は動物園のチンパンジーを思い浮かべれば、直立二足歩行しない・拇指対向性がある・目が前方についていることがすぐにわかるので、消去法ですぐに答えが出ます。盲点になりがちなヒトの進化の分野...と思いきや、実は一般常識でも充分太刀打ちできるのが面白いところです。この問題のように正解の選択肢数が決まっている場合は、消去法で確実に答えを導いていきましょう。
第2問
問2は、会話文の冒頭「乾燥重量が大きい個体は〜光をたくさん浴びることができる」の部分にほとんど答えが書いてありました。読み飛ばしがちな部分にこそヒントが仕込まれているので、注意しましょう。
問3以降はオーソドックスな遺伝子組み換えの知識問題なので、今回の試験で一番得点しやすかったかもしれません。問4のような実験操作の意義を問う問題では、実験目的を再確認することが鉄則です。今回の実験目的は「遺伝子Yを発現する植物を作製する」の1点のみなので、③を素直に選びたいところです。「不定芽の培養」などに引っ張られると苦戦するかもしれません。
第3問
発生分野が苦手な人は全滅までありうる鬼門でした。発生分野は実験考察問題がつくりやすく、今後の共通テストでも出題が予想されます。苦手な人はぜひ克服しておきましょう。
問2は、実験結果だけでなく2人の会話まで読み込む必要がありました。無意識に実験結果のみに注目してしまった人は苦戦したことでしょう。
問3のような実験手法は、生命科学分野でよく行われます。すなわち、「機能未知の遺伝子Xの機能を欠損させることで、Xの機能を明らかにする」という手法です。このような頭の使い方に慣れておきましょう。
第4問
問3を除き、ほぼ事前知識が要求されない実験問題でした。問1のような実験結果の正確な解釈に関する問題は、時間に追われるとパニックになってしまう受験生も多かったかもしれません。経験値がモノを言いますので、普段から実験考察問題を重点的に学習しておきましょう。
第5問
問2-アは②の2種類が正解なのに対し、イは⑤の6種類が正解(⑥の8種類が不正解)という、若干選択肢が小賢しい問題でした。終盤なので焦りから引っかかった人が意外と多いのではないでしょうか。問3のような遺伝子発現制御に関する問題は、遺伝子とタンパク質をしっかり区別し、関係性を図示して考えるとよいでしょう。
第6問
繰り返しになりますが、問1のような正答数が決まっている知識問題は、消去法で確実に正解を決めるようにしましょう。問5は、実験の説明中の「寒さに慣らしてから」の部分が明らかなヒントなので、読み飛ばしがないようにしたいところです。
共通テストを来年以降に控える新高2・高3生へ
本来ならば「共通テストは〇月までに〇割を目指してこのような勉強をしよう!」のような具体的なアドバイスをしたかったところですが...共通テスト自体の試行回数が少ないこと・平均点が大きく変動したことを考えると、来年度の共通テストの難易度が非常に予想しづらいため、点数に基づいたアドバイスはしづらいというのが正直なところです。
ただ、総評でも述べた通り、問われている内容面は難化していないというのが重要です。問題の形式にとらわれずに、実験考察問題に対応する力が重要となります。そのためには、あまり共通テストの過去問演習にとらわれず、二次試験に焦点を合わせた学習をするのが良いでしょう。実験考察問題の比重が増えている以上、二次試験向けの勉強が共通テストの得点向上に直結すると考えられるからです。その際、記述式の問題集を用意して取り組むと、出題形式にとらわれない実力が身に付くと思います。
今後の共通テストで、出題形式にとらわれない確かな実力を発揮できるように学習していきましょう。健闘をお祈りしています。
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