寝ころんでまなべない??セントラルドグマ-1 タンパク質 編
2021/3/24 #こびナビ クラブハウスはそもそもRNAとはなんぞや??というテーマ。
基礎研究チームが欠席につき、説明を引き受けるも、出たとこ勝負ではうまくいかなかった。
クラブハウスと同様に、図を使わずにどこまで説明できるのか。リベンジしてみる。
さて、そもそも私と分子遺伝学の縁は、1998年発売のプレイステーションゲーム: メタルギアソリッド *1 にさかのぼる。これに遺伝子改変により強化された「ゲノム兵」というのが出てくるのだが、当時中学生だった私が「ゲノム」と出会ったきっかけであり、ここから独学で分子遺伝学について学びはじめる。しかし高校での選択は物理だった。何故。
さて、私の話はよいとして。
クラブハウスで提示された順に話そう。
1)タンパク質とはなにか。誰でも知っている具体例を3つ挙げて説明せよ。
これには「なんでもタンパク質ですよ」という最低な解答をして叱られたのだが、これはあることを意識していたからなのである。
みなが恐れおののく「遺伝子」は、なんのことはない、タンパク質の設計図に過ぎない。
正確には、タンパク質の設計情報である。
これが「書かれている媒体」が、DNAやRNAである。DNAやRNAは実体のある物質だ。
本の内容が遺伝子、紙とインクがDNA/RNAに喩えることができる。
ここで一旦戻って、タンパク質の具体例を仕方なく3つ挙げよう。皮膚も筋肉も髪の毛もタンパク質でできている。
そもそも、細胞の中の色々なことはタンパク質で調節されているし、誰でも知っている具体例、というのは難しいと言えば難しい。やっぱりなんでもだ。
さて、タンパク質とは何か。アミノ酸が一直線につながったもの。これも叱られた。しかし、仕方がない。アミノ酸は化学的(ここでは、ばけがくてき、と読もう)な構造で規定されるので、これ以上細かくして説明しても仕方がないのだ。
人間の体内では20種類のアミノ酸が、色々な順番でつなげられることで実に様々なタンパク質を作ることができる。
というわけで、アミノ酸が一直線に連なったものがタンパク質である。これをタンパク質の一次構造という。
クラブハウスでは複雑ななんとかとか言った。それは、この一直線の高分子がぐるぐるのぐにゃぐにゃに立体構造(高次構造)を作って、結果として色々な機能を持つということを意識した発言だ。
こびナビ 事務局長は、タンパク質をレゴに喩えていた。ナイスだ。
アミノ酸はレゴブロックのピースだ。それが組み合わさってパーツを作ればタンパク質。このパーツを組み合わせて作ったお城が臓器・組織だと。さらに言えばお城やその他の建物を集めた作品にすれば人間になるということでよいだろうか(実はなんとなくしっくりきていない)。
このタンパク質の一次構造が一直線のアミノ酸の連なりであるということが、実は遺伝子に繋がってくる。
遺伝子の情報は、たったの4文字で書かれている。A、T、G、Cの4文字だ。
これを3つセットで読む「暗号」になっている。
アミノ酸20種類を、この3つセットで指定する。
例えば、AATとくればアスパラギンを持ってこい、GAAとくればグルタミン酸を持ってこい、という形だ。
TTA ATT AAT GAA
と書いてあれば、
ロイシン-イソロイシン-アスパラギン-グルタミン酸
と繋げという命令になる。
こんなものは私が覚えているわけはなくて、3つセットのことをコドンと呼び、コドン表、で検索するとどこにでもある。
これで遺伝子とタンパクの関係が繋がった。
しかし、TTA ATT AAT GAAと書いてあるのを小人が目で見て、冷蔵庫からアミノ酸を持ってきてつなげてくれるわけではないので、もっと生化学的な仕組みに落とし込んで説明しなくてはならない。
ここで出てくるのが、DNAとRNAだ。
長くなったので、次回へ続く。
*1 ちなみに、メタルギアシリーズは潜入アクションゲームとカテゴライズされている。主人公が単身で武装蜂起した集団がいる島やジャングルに潜入して、ミッションをこなす。メタルギアソリッドはシリーズの3作目だが、1作目は1987年発売で、当初、ハードウェアの処理能力的に敵兵を大人数動かすのが困難であったために、「見つからないように進む」ゲームとしたと言われている。後に大ヒットシリーズとなるきっかけは、ハードウェアの処理能力不足と、一体何がどうころぶかわからないものである。
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