【人生を謳歌する為の心得】
ある出版社のデスクにて、一人の青年が壮年の男性と向かい合っていた。
青年はここに所属する作家であり、先日送付した原稿を読み終えた担当編集との打ち合わせの為に出社したのが昼前である。
300ページに及ぶ一通りを読み、それぞれのシーンの意味合いの確認や会話の調整、誤字脱字などの指摘が二時間ほど行われた。
彼の言い分は自分の好みや感情論ではなく理屈や根拠に乗っ取ったものが多く、青年はそういったところを好ましく思い、また尊敬もしている。
ディスカッションが終わると軽い世間話が行われる