手織り真田紐のこと(一)出逢い
能登半島輪島、輪島塗の倉庫にいました。
国産漆を使用した輪島塗を探していました。
輪島塗は透ける様に薄い木地に幾重にも漆を塗るのですが、今ではその漆も国内ではほぼ採れず、国外に頼っているそうです。
積み上げられた塗り物からどうやって見分けるのか・・
目に留まったのが輪島塗が納められた桐箱でした。
桐箱には紐がかかっていて、何か違いがある様に思えたのです。
それからその紐について調べてみましたら、『真田紐』というものであることがわかりました。
素人の私には、真田紐が手織りであるか機械織りであるかがひとつの時代の目安になるのではないかと思いました。
そして、ふと " 現在も手織りでされている真田紐はあるのだろうか " と興味がわいたのです。
手織り真田紐を探して
様々探してみましたが機械織の綺麗なものやそれらしい紐は出て来ても、手織り真田紐の技術を継承している職人さんをすぐに見つけることができませんでした。
それこそ、非常にコストパフォーマンスの低い仕事です。
これも時代の流れかな・・遠い目になりかけていた頃
東近江市の新聞に目が留まりました。
いらっしゃった!
日本で唯一技術継承されている最後の職人さん。
ご高齢の様でなるべく早いうちに尋ねたいと温めていました。
そして、備前へ行く計画に東近江を加えて西へ車を走らせました。
引き継がれた手織り真田紐の技術
国内最後の手織り真田紐職人、西村幸さんにお会いできることに胸を躍らせながらお尋ねしたら、
母は亡くなりました・・
一足遅かった。
直ぐに動くべきでした。幸さんにお会いすることができませんでした。
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