We Overtake Teslaという誓いが生まれた背景
こんにちは。Turing HRの立石です。毎月100件近くの面談を実施する中で、多くの方にWe Overtake Teslaというミッションについて質問されます。大きく2つの方向があり、それぞれ必ず聞かれる内容です。
We Overtake Teslaの定義は何か?
どのようにしてその言葉は生まれたのか?
非常に大切な質問なので、それぞれ創業者の言葉やエピソードを交えて説明していきます。
We Overtake Teslaの定義とは何か?
Teslaは時価総額100兆円、年間の生産台数100万台超え、イノベーションの数や社会への影響度など、さまざまな面で非常に大きな存在感を持つプレーヤーです。この相手を超えるのは容易でないことは明らか。また、ベンチマークするからこそ、どんな指標や目標数値で超えるのかは大事な議論に思えます。
この問いに対してCEO・山本はこう言っていました。
ではこの誓いはどのようにして生まれたのでしょうか?なぜここまで明確で強烈な誓いを創業陣は立てたのでしょうか?
この1年以上で私が見てきた視点から説明していきたいと思います。
We Overtake Teslaという誓いが生まれたストーリー
その背景は2017年5月、Ponanzaが名人に初勝利した日に遡ります。棋界最高位のひとつ「名人位」をもつ佐藤天彦名人に勝利し、あるエンジニアの偉業としてメディアでも称えられました。
山本は将棋の名人を倒すという目標をプログラミングを始めた大学生の時に考えており、10年かけてそれを達成したのです。彼はそこで一度Ponanzaの開発に区切りをつけます。
大きな目標を達成した山本ですが、実はその後に大きな後悔をすることになります。
Ponanzaは将棋の名人を倒しましたが、Google DeepMind社のAlphaGOは、その年に最強の囲碁棋士の一人である李世ドルさんに4勝1敗で勝利します。そして、Alpha GOは科学雑誌「Nature」の表紙を飾ります。
※Alpha GOは強化学習とDeep Learningを組み合わせた囲碁プログラムで囲碁棋士に勝利します。
GoogleのDeepMindは方針を立て、お金を集め、情報学の偉大の勝利として世界にその素晴らしさを証明しました。深層学習のあるべき姿を描き、極めて能力が高いエンジニアを集め、世界的AIブームを呼び起こすきっかけを作った。その時、山本はこう感じたと回想しています。
Ponanzaの開発者として彼は世の中に強く認知されました。一方で、
「なぜAlpha GOのように世界の流れを大きく変えるような文脈にできなかったのだとろう。世の中を大きく変えることができたはずなのに。」
そう感じたのです。また、これからの長い人生で一生「Ponanzaの山本一成と呼ばれ続ける人生は切ない」と考えていました。だからこそ、社会や人類にとって大きく意義のある挑戦をしようと山本は強く誓います。
大きな決意とは裏腹に、テーマが見つからない辛さを味わった3年間
ですが、成し遂げた成果が大きければ大きいほど次のチャレンジを見つけるのは難しいものです。山本一成はそこから3年以上「やりたいという熱意があるのにやりたいテーマと出会えない」という苦痛を味わうことになります。
そんな中で、現共同創業者の青木俊介と出逢います。青木はカーネギーメロン大学で自動運転領域において確かな成果と実績を持っています。「大学教員になる」「アメリカのビッグテックで働く」という選択肢があった中から、起業することを決めて帰国しており、自身の挑戦の場を探していました。
当時、山本は青木のいる名古屋大学に通い、さまざまな起業アイデアを話しては潰していました。自動運転の要素技術を開発する道も考えていたそうです。そして勝つためのストーリーも描いていた中で、大きな決断をします。
自動車を作ろう
AIやソフトウェアだけでなく、「自動車を作ろう」と提案をしたのです。車を作るのは非常に大変です。量産のフェーズに行く過程で1000億円以上もの資金を必要とします。車会社には法規認証や保安基準という厳格なルールがあり、ゼロからの車両開発は非常に難しいです。
それでも彼らがやろうと決断したのは、シンプルに「できないという合理的な理由がない」から。アメリカや中国では自動車業界からスタートアップでは生まれており、テスラやNIOなどを筆頭にイノベーションが起きている。彼らにできて、自分たちにできない理由はない。日本にそういったチャレンジをするチームがあってもいいはずだ。誰もやらないなら自分たちがやろうと。
そしてやるのであれば今世界で一番株式市場で評価されていて影響力のある会社を超えよう。No.1を目指そう。そんな思いでWe Overtake Teslaという言葉を掲げます。
彼らはわかっていました。創業当時に掲げたミッションやビジョンに人は集まってくる。創業後にミッションを大きくしていくのは難しい。だからこそ、その時にできる精一杯の背伸びをしよう。そういうチャレンジをしようと。過去の焼き増しをせず、人類や社会にとって大きな挑戦をする。そう決めたのです。
We Overtake Teslaという言葉は創業から2年以上経った今でも色褪せることなく、Turingを照らしています。
私が見ているWe Overtake Tesla
We Overtake Teslaというミッションは日々の業務において背伸びする機会をたくさんくれます。これでTesla倒せる?世界に勝てる?と自分に問いかけながら仕事をする機会はなかなかないです。
自分の視座を高め、大きな挑戦や努力の熱量を引き上げてくれています。それは社員みんな同じですし、素敵な仲間と働けることに日々誇りを感じています。
ある日、ふと感じたことがあります。小さくまとまらない・大きな挑戦をすることは言葉ではすごくカッコいいですしあるべき論としても大事です。一方で、その言葉と日々向き合い切るのは簡単なことではありません。
ただ、そうならないようにしてきたのは誰よりも創業者の2人なんだと思います。簡単なことではなかったでしょうし、その思いを体現し続けるプレッシャーを感じることもあったはずです。
だからこそ、そんな二人に負けないように自分も踏ん張ろうと日々思っています。
長くなりましたが、We Overtake Teslaという言葉についてまとめてみました。ちなみにもっと深いインタビューを読みたい方は下記記事やPodcastを開いてみてください!手前味噌ですが非常に面白いですよ。
お約束ですが、、、
少しでも興味を持った方は、ぜひカジュアルに話しましょう!XのDM、チューリングの採用HPからのご連絡お待ちしています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?