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貴女を知って。僕を知って。
……。
……。
ねえ。
そんな目でずっと見られていると集中できないんですけど。
なんです?
どうせ、「手を繋いでください」とか、
「匂いを嗅がせてください」とか。
そんなことを思っていたんでしょう?
いや、そんなよく分かりましたねみたいな顔をされても。
いつもそればかりじゃないですか。
え?
嫌ですよ。
せっかくのお休みなんですから。
あなたは何処にいますか?
もしもし?
うん、yurikaです。
待ち合わせ時間にはまだ早いですけど、
わんこのことだから、もう着いていると思って。
ふふ♥
やっぱり。
それで、今どこにいますか?
改札の前?
さっき見て回ったんですが、
見つからなかったんですよね。
北口の方で合っていますよね?
ふぅ。
休日は人が多くて分からないですね。
探すのも大変です。
美しい穢れと醜くなった尊厳【前編】
駅に電車が到着してからしばらくして、聳え立つ様々なオフィスビルと駅が線で結ばれる。それは、満員電車から雪崩れた人達が各々の職場に向けて列をなして歩いてできる線である。
朝の通勤ラッシュ。
その線をなす一人として、僕も自分の職場へと歩いていく。
今朝テレビで見た天気予報によれば、今日はこの冬一番の寒さだそうだ。ぎゅうぎゅう詰めの満員電車で温められた体も直ぐに冷えてしまい、コートを着てきたにも
『恋奴隷』と『趣味嗜好』
趣味嗜好。
それは、個人が好きなこと。好んで行うことがらを指します。
付き合っている彼氏彼女が相手の趣味嗜好に似ていくということがあると思います。
例えば、食事の傾向です。
付き合う前はあまり食べなかったけれど、相手が好んで食べていることで、自身も食べる頻度が高くなり、いつの間にか好んで食べているなんてことはないでしょうか。
何故似ていくのか。
それは、相手のことを想い合い、よ