雨水(金柑と牛蒡)移ろいゆく水と花
一年を春夏秋冬の4つに分け、さらに約15日ごとに分けた二十四節気。農業の目安として季節の変化に対応するために中国より伝来したと言われています。
移ろう季節をより身近に感じることができたらと思い、emmyと、MayuAraiによるドリンクといけばなを二十四節気の時季に合わせ、お手紙のやりとりをしています。
今回は第五三回目の『雨水』、emmyからのお手紙です。
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Mayuさん、こんにちは。
寒さの中にも春を感じる季節になりましたね。いかがお過ごしでしょうか。
立春のお手紙ありがとうございました。春の花達が愛らしくて素敵です。軽やかな色合いが待ち遠しい春を予感させますね。何よりお手紙のやり取りが続くことがとても嬉しく思います。
今回は、雪解けの水が田畑を潤していく『雨水』。
厳しい寒さも峠を越え、春に向かっていく季節です。
まだまだ寒さが残りますがあたたかな陽射しにゆっくりと暦が変わっていくのを感じます。
旬の果実、金柑を使ってドリンクを作りました。
牛蒡茶、金柑をさっと火入れし、香りが立ち上がってから柿の葉茶とキビ砂糖を加え、コンポートにします。
冷めたコンポートシロップに黒文字、蜜柑の蒸留水を加えました。
牛蒡と柿の葉茶の土の香りに、金柑独特の味わい。さわやかに抜けるような香りが春の準備をする植物達をイメージしています。
金柑といえば、かつて中国船が漂流し、静岡の港に立ち寄った際の礼品として金柑の砂糖漬けが贈られたことが日本での始まりだそうです。古くから薬としても扱われ、実だけではなく種や葉も漢方として使われます。
子供の頃に風邪をひいた時によく甘露煮を湯で溶かしたものをよく飲まされていた覚えのある金柑は、今でも寒さを感じる時などについ手に取ってしまう食材かもしれません。
とろとろと喉を潤していく金柑のドリンクは雪解けの雨の様にも感じます。
暖かくなったり、冬の寒さに戻ったりとゆらぎのあるお天気が多い時期ですので、Mayuさんもどうかご自愛くださいませ。
それではまた!
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二十四節気に合わせ、季節に寄り添ったドリンクとお花の交換会をしています。
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