~国立西洋美術館~【世界遺産を色んな角度で見てみよう⑳】
こんにちは!永高の中学受験部屋です。早くも第20回ですね!
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今日ご紹介する日本の世界遺産は「ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献」です。
2016年に文化遺産として登録されています。
なんで登録されたの?
「ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献」は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエの建築作品群をひとつの世界遺産として登録し、近代建築の概念の世界的な広がりを証明するものです。
7か国に点在する17資産で構成され、日本からは東京の上野にある「国立西洋美術館」が含まれています。日本初のトランスバウンダリー・サイトです。
構成資産のある7か国:フランス、スイス、ドイツ、ベルギー、アルゼンチン、インド、日本 (※コルビュジエはスイス生まれで主にフランスで活躍)
トランスバウンダリー・サイト:国境を越えて複数の国々が保有する遺産
ル・コルビュジエは新しい技術や素材を用いるだけでなく近代建築の5原則など重要な概念を打ち出し、世界的に大きな影響を与えました。
ル・コルビュジエの作品が、人類の創造的才能を表す傑作であることや、新しい建築の概念を広め、20世紀における世界中の建築に大きな影響を与えたことなどが評価されました。
国立西洋美術館
国立西洋美術館は、実業家であった松方幸次郎がヨーロッパで買い付けた美術作品群(松方コレクション)を展示する目的で1959年に建てられました。
国立西洋美術館は、ル・コルビュジエが設計した国内唯一の建造物です。ピロティー、スロープ、自然光を利用した照明などル・コルビュジエの建築的な特徴がよく表現されている作品で、日本の戦後建築に大きな影響を与えました。上記の写真はピロティです。
ピロティ:フランス語で建物を支える杭のこと、柱だけで構成されている壁のない吹き抜け空間をもった建築様式またはその空間をさす。
建築にあたりル・コルビュジエの「無限成長美術館」というアイデアが用いられました。これは将来的に展示作品が増えても、らせん状に外側に展示室を増設できるというものです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、複数の国にある資産をひとつの世界遺産として登録する珍しい事例を紹介しました。
2022年春まで国立西洋美術館は休館しているそうですが、再開したらぜひ行ってみてください!展示されている作品だけでなく、建物自体の造りにも注目してみると、より楽しめそうですね。