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eiko_ichikawa
2020年3月8日 11:01
人物相関図はこちらからどうぞ!●ガネーシャ・・・本作の語り部。ガナ(群衆)とイーシャ(リーダー)がくっついて、ガネーシャ。マハーバーラタの筆記をしたのが、ガナパティ神(ガネーシャ神)と言われている。作者はヴャーサ。●ヴャーサ・・・マハーバーラタの作者。ヴェーダを4つに分け、またそのヴェーダをわかりやすくするために、物語調に作られたのがマハーバーラタ。故にマハーバーラタは第5の聖典といわれる
2020年11月7日 18:38
前王パーンドゥが逝去したあと国を統治していたのは、彼の兄であったドゥルタラーシュトラ王でした。順当なところでいくと次期王の候補は、ドゥルタラーシュトラの長男ドゥルヨーダナ。けれども民からは、跡継ぎはユディシュティラに、という声が多くあがっていました。ユディシュティラはパーンドゥの長子というだけではなく、ダルマ神(法・秩序を司る)を祈った結果として第一夫人のクンティーが授かった子ですから、国を守
2020年11月2日 12:32
アルジュナを始めとするたくさんの王子たちが成長を遂げました。それを見てとった指南役のドローナ先生は、生徒である彼らを集めて言いました。「そろそろみんな、一人立ちしてもよい頃だろう。教えるべきことはすべて教えたといっても過言ではないからな。と、いうわけで。私にダクシナを授けてほしいのだが」(※ダクシナとは、先生に差し出す感謝のお礼のようなもの)それを聞いて生徒たちは興奮しました。「もち
2020年10月30日 08:54
ラデーヤ改めカルナが、王宮ハスティナープラに向かうことを決心した理由は、王宮で武術大会があると風のうわさで聞いたからです。そのうわさの武術大会の発起人はドローナでした。ドローナは成長した王子たちを見て、そろそろ彼らの実力を試すために武術大会を開いてみてはどうかと思い立ったのです。ビーシュマやドゥルタラーシュトラ王に提案するとすぐに承諾されたので、早速準備に取り掛かりました。ユディシュティ
2020年10月29日 11:12
あるところに、ラデーヤという青年がいました。今日はラデーヤの16回目の誕生日。母にずっと伝えたいことがあった彼は、折を見て切り出しました。「お母さん。今日は僕にとって特別な日だし・・・実はお願いがあるんだけど聞いてくれるかい?」ラデーヤの母であり(馬車の)御者を仕事とするアディラタの妻であるラダーは、ゆっくり振り返ると息子の顔をしげしげとみつめました。美しく、輝くような瞳と、厚い胸板
2020年10月27日 13:57
ある日、ドローナのところに、色黒の少年がやってきて言いました。「あなた様はドローナ先生でいらっしゃいますでしょうか。先生にお会いしたいと思いやって参りました。私はニシャダ国の王子で、エーカラヴャというものです。私に弓の技術を学ばせて頂けないでしょうか。そして、どうかあなたの弟子にしてください!」礼儀正しいこの少年に、ドローナはとても好感を持ちましたが、残念ながら彼はニシャダ国の者。敵対
2020年10月22日 10:57
インドのお話では当たり前のように、よくでてくるヴァルナ。現代ではカースト制と言われることが多いのですが、ヴァルナ自体を理解しておくと今後の話がわかりやすいと思うので先に説明しますね!【ヴァルナ】バラモン(祭祀をする役割の人)クシャットリヤ(戦士としての役割の人)ヴァイシャ(商いをして経済を回す役割の人)シュードラ(労働者の役割の人)ヴァルナというシステムは、上記の4つの役割に人
2020年10月21日 11:49
ドローナという人がいました。ドローナはバラドワージャの息子で、バラモン(司祭)の家の出でした。子供の時には、パンチャーラ王国の王子ドゥルパダと同じリシの元で学んでおり、とても仲良しでした。ドローナは、ヴェーダとヴェーダーンタを学んだ後、さらには弓の名手に成長。ドゥルパダは国に帰って亡くなった自分の父の後を継ぎ王になりました。《ガネーシャのひとりごと》みんなはドゥルパダを覚えているかな
2020年10月19日 16:00
5人の子供たちを連れてハスティナープラに凱旋したクンティーは王宮の人々にパーンドゥの結末を皆に伝えました。ドゥルタラーシュトラは弟との思い出が記憶からあふれ出て、光の射さない瞳から大粒の涙を流しました。ビーシュマも可愛い甥御を失って茫然自失に。特に母親のアンバーリカーの悲しみと言ったら、言葉では言い尽くせないほどでしたし、王国全体が灰色のもやに包まれてしまったようでした。悲しみと同時
2020年10月16日 21:29
パーンドゥについて少し触れておきましょう。パーンドゥはドゥルタラーシュトラの弟で次男にあたります。三男はダルマ神の生まれ変わりともいわれたヴィドゥラでしたね。三人は全て母(アンビカ―、アンバーリカー、アンビカ―のメイド)が違いますが、父は共通して賢者ヴャーサ(サッテャヴァティーの最初の息子)です。パーンドゥは第二王子でしたが、王位継承第一位の兄は盲目であるという理由により王の地位を引き継
2020年10月15日 11:53
クンティーがまだパーンドゥのもとへ嫁入りする前のお話。ドゥルヴァサという聖者がいました。彼は、怒りっぽいことで有名な人でした。それはもう世界中で噂されていて、その結果彼は旅をすると行く先々で手厚いおもてなしを受けました。要はだいぶ怖がられていたというわけ。ある時その聖者ドゥルヴァサが、クンティーの養父クンティーボージャの家を訪れました。クンティーは父からドゥルヴァサをもてなすように
2020年3月9日 23:21
シャーンタヌとサッテャヴァティーの間には、二人の王子が生まれました。チットラーンガダとヴィチットラヴィーリャです。 なんと言っても、チットラーンガダは不運でした。 実は天界に同じチットラーンガダという名の神様がいたのです。(注:「ソーマ」という神々の飲み物を守ったり、神々のために美しい音楽を奏でる神様) 彼は、自分と同じ名前の人間が、この世にいることを良しとしませんでした
2020年3月9日 10:13
16年の月日が経ちました。 シャーンタヌの心は空っぽのままでしたが、王としては立派に国を治めていましたし、まだ好みの狩りも続けていました。ある時政務を一仕事終えたシャーンタヌは久々の狩りをしようとガンガー川のほとりまでたどり着きました。ところがいつものガンガー川の様子と、何かが違うのです。空気も風も金色を帯び、煌めいているような。なにごとかと彼は目を凝らすと、そこにはあのガンガー女
2020年3月8日 12:10
昔むかしのそのまたむかし。インドにはクル族の子孫で、たくましく壮健なシャーンタヌという王様がいました。シャーンタヌの唯一の趣味は狩りでした。その日も狩りに夢中になって、いつの間にやらガンジス川のほとりまで、さまよい出てしまいました。 するとそこには、この世のものとは思えないほど美しい女性が立っていました。彼女の名前はガンガー。 天界の女神であるガンガーは、金色の肌を輝かせ、