マガジンのカバー画像

わかって楽しい!マハーバーラタ

25
インドの叙事詩マハーバーラタ。 ここにはヨーガの叡智が詰まっています。 全部で18章からなり、 10万詩にも及ぶ膨大な内容ですが、 その中から ヨーガの知恵を学ぶのに役立つスト…
運営しているクリエイター

2020年11月の記事一覧

20.蝋(ロウ)宮殿 行かなきゃならない時もある

20.蝋(ロウ)宮殿 行かなきゃならない時もある

町の人々に温かく迎えられたユディシュティラ一行は、到着してしばらく経ったある日、プローチャナに連れられて立派な宮殿へと移り住むことになりました。

もちろんその宮殿は表向きにはドゥルタラーシュトラが甥たちのために建てたことになっていますが、本当はドゥルヨーダナが従兄弟たちを陥れるため
裏工作されたあの建物です。

宮殿の周りには、ぐるりと堀が巡らせてありました。そう、これは敵の侵入を防ぐためではな

もっとみる
19.たくらむドゥルヨーダナとゆがんだ愛

19.たくらむドゥルヨーダナとゆがんだ愛

前王パーンドゥが逝去したあと国を統治していたのは、彼の兄であったドゥルタラーシュトラ王でした。順当なところでいくと次期王の候補は、ドゥルタラーシュトラの長男ドゥルヨーダナ。けれども民からは、跡継ぎはユディシュティラに、という声が多くあがっていました。

ユディシュティラはパーンドゥの長子というだけではなく、ダルマ神(法・秩序を司る)を祈った結果として第一夫人のクンティーが授かった子ですから、国を守

もっとみる
18.ドローナ、一矢報いる

18.ドローナ、一矢報いる

アルジュナを始めとするたくさんの王子たちが成長を遂げました。
それを見てとった指南役のドローナ先生は、生徒である彼らを集めて言いました。

「そろそろみんな、一人立ちしてもよい頃だろう。教えるべきことはすべて教えたといっても過言ではないからな。と、いうわけで。私にダクシナを授けてほしいのだが」
(※ダクシナとは、先生に差し出す感謝のお礼のようなもの)

それを聞いて生徒たちは興奮しました。
「もち

もっとみる