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Summer in Italy 2022 Vol. 2

前回のローマ、バチカン美術館を巡る旅からイタリア紀行はトスカーナ地方に続きます。英語ではトスカニー(Tuscany) 、トスカーナ州、イタリア・ルネッサンスの中心地となったフィレンツェは州都、イタリアの中部に位置し、ピサやシエナなどの美しい古都を擁しています。ローマからフィレンツェへの車の旅は、オリーブ畑やぶどう畑の丘陵地帯、美しいトスカーナ地方が満喫できる旅です。

Orvieto Umbria  城塞の街 オルヴィエート

トスカーナへの旅の途中に、アンブリア州にあるオルヴィエートに立ち寄りました。古くはエトルリア人が住んでいた地域、紀元前300年頃にローマ人に攻め落とされ、その長い歴史はローマ教皇とそして教皇領としての深いつながりがあります。凝灰岩の高い丘に立つオルヴィエートには、ケーブルカーや城塞の下にある駐車場に車を停めて、エスカレータ付きの地中道からアクセスできます。

城塞の上からの眺め 茶褐色の城塞と緑のコントラストが美しい

オルヴィエートの街中はいまも中世の香りが漂う美しい景観。石畳のつづく細い街路やPiazza、広場は現代の看板や店の外観がなければそのまま中世の街並みと見間違えるほど。城壁で囲まれたオルヴィエート旧市街地は住居建築制限があり、観光地として発展してるものの、そこかしこで「住民の静かな生活を守って」というサインが見受けられます。オルヴィエートの一番の見どころはドゥオモ Duomo di Orvieto、1290年から約300年をかけて完成された大聖堂は、この時代の建築物に用いられたトラバーチンと玄武岩のストライプ柄の壁面とローズ窓やモザイクで飾られたファサードをもつ見事な建物です。

ローマ教皇と深いつながりを感じさせる立派なオルヴィエート大聖堂
Apse後陣のステンドグラスは1328年から34年に製作されたジョバンニ・ディ・ボニーノ作
複雑に入り込んだ石畳のオルヴィエート旧市街地の街並み
イタリアのどこで食べても美味しいカプレーゼ
オルヴィエートのカフェでは地元の白ワインと焼き立てフォカッチャと一緒に

La Certosa di Maggiano in Siena

オルヴィエートから車でシエナ方面へ向かいます。宿泊はシエナ郊外にあるブテックホテル、ラ・チェルトーザ・ディ・マッギアーノ。テラコッタ屋根とピンクがかった外観がトスカーナの美しい景観に溶け込むようにオリーブ畑やぶどう畑の中に建っています。

14世紀の修道院が何世紀もの間、違う人の手をわたり1970年代にラグジュアリーホテルとして生まれ変わりました。当時のチャペルはそのままに、今も時間がくると美しい鐘の音を響かせます。客室19室のこのホテル、素晴らし絵画で飾られたラウンジや小さなバー、バーと隣合わせのライブラリーと宿泊客の数も少ないので、知り合いの家に泊まりに来た感覚が味わえます。

プールサイドもゆったりとした雰囲気

3コースの夕食と朝食が含まれたステイは、食事も楽しみの一つ。月明かりのコートヤードを眺めながらテラスでの夕食は、手の混んだミシュランレベルのメニュー。食事を給仕してくれるスタッフも少人数なので、ワインやメニューのことを聞いたり、おしゃべりをしたりと、ラグジュアリーななかにもほっこりとした感覚が味わえるのもブテックホテルの醍醐味かもしれません。

チャペルとライブラリー、バー、ラウンジのあるホテル棟を囲むコートヤード
ここで夕食をいただきます
メインデッシュのオーガニックの赤米リゾット ブラッターチーズのクリーム添え
ラムロースト ローストペッパークリーム
赤で統一されたライブラリー
ホテルにつづく小さなチャペルもこの豪華さ 宗教と人々の繋がりが強く感じられます

さて、いよいよ次回はイタリア・ルネッサンスの中心地、フィレンツェへ。北イタリア、ベルガモに住む従姉妹家族も合流して、フィレンツェの芸術と美味しい食事を紹介します。

All photos in this article are by Eiko Kawabe Brown

Summer in Italy Vol.1 & Vol. 3はこちらから!


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