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リーダーシップに男女差はあるのか?
2016年「全ての女性が輝く社会づくり本部」なるものが発足しました。2年後の2018年に帝国データバンクが行なった調査によると、日本全国の企業の女性社長率は7.8%。ちなみに10年前の2008年では6.3%だったので少しずつ上昇傾向は続いていますがかなり伸びは緩やか。
ちなみにアメリカ企業のCEO(最高経営責任者)の女性の割合は、28%。日本の割合の少なさが圧倒的すぎるのですが...男女の人口はそれぞれ約50%なのを考えると、アメリカの28%でさえかなり少ないですよね。
では、なぜリーダーになれる女性が少ないのでしょうか?女性のリーダーシップに関する100件以上の論文を解析して、「女性とリーダーシップの関係性」をまとめた研究が2018年Personal Psychology誌に掲載されました。
2019年1月の日経サイエンスに「女性リーダーの時代」という記事でその内容がまとまっていたので、メモしておこうと思います。
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◇ 女性より男性の方がリーダーに選ばれやすい
リーダーシップに関する論文では、どのようにリーダーシップについて調査するかというと...
被験者(学生や働く人)に対して、「自分たちのリーダーを選ぶとしたら誰にするか?」や「自分がグループをどの程度統率しているかをお互いに評価してください」などの質問を投げかけて調査するようです。
また、集団への参加の程度や、自己主張の強さなど、個人的な性格特性との関連についても評価している研究もあったようです。
100件以上の研究をまとめると、女性より男性の方がリーダーになりやすいという傾向が見られました。その理由としては、男性は女性よりも自己主張が強く遠慮なく話すことから、リーダーとして評価されやすく選ばれやすくなる可能性があるということ。
◇ コミュニケーションを取ると男女差は消える
でも上の結果が得られるのは、あくまでも組織やグループ内での交流が無かったり、短かったりした場合。
グループ内で20分以上交流を持たれた場合には、リーダーシップの男女差がなくなる傾向があると研究チームは述べています。相手をよく知ることで、性別役割の先入観に囚われなくなるからだそうです。
別の研究では、男女ともリーダーとして同等の好成績を上げていることを示しており、男性、女性でリーダーの素質に差はありません。
「現在の組織の多くが人材を無視した人事が行われている可能性がある」とこの論文の著者であるKatie Baduraを言っています。
◇ 研究所では男女格差が大きい
この研究では、職場環境や業務の複雑さなどの条件についても調査されています。ビジネスの環境よりも研究所で男女の格差が大きいことがわかりました。
また、社会的に複雑な業務(革新的な問題解決など)に取り組んだグループでは男女の差が比較的小さい傾向にありました。が、他の要因を考慮するとその効果は消えてしまうとのこと。
おそらく研究現場での女性リーダーの少なさは、コミュニケーション不足以外にもいろいろな問題をはらんでいる気がしますがそれは今回とはまた別の話。
男女でリーダーシップに差がないこと、コミュニケーションを取らないと男性の方がリーダーとして選ばれやすいというのは、現在の社会で男性リーダーが多い理由をかなり説明できるのではないかと思います。
女性でリーダーに上り詰めている人の多くは、いろんな人と話すのが好きで、交流をよくしているイメージ。他人に評価されるためにも、コミュニケーションは重要なんですね。
コミュニケーション下手の私はどうしたら良いのでしょう?解決策を探してみようと思います。
それでは、また!
研究環境で余りにも男女差が大きいので生まれた科学賞の話
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