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非科学的デマを見極めよう!子どもにワクチンを受けさせない親がいなくならない訳

2017年4月の日経サイエンスに「非科学的デマを斬る 知っておきたい5つの事実」という特集が組まれました。

この特集の趣旨は、

「現代科学を支えている最も基本的で裏付けの確かな事実を一部の多くの人々が認めない」という状況は困ったことである。事実として認められているものは何十年も渡って証拠に基づいて認められている。という、大部分の科学者が認めている事実を改めて考察することも本書の務めである。

というもの。

面白そうだなと思って取っていてなかなか読む機会がありませんでした。(3年以上!)

今回、読んでみて「ピピッ」と私のアンテナに触れたのは、「ワクチンは自閉症を起こさない」という事実。
(他にも「人の脳は10%しか使っていないというのは嘘」とか「遺伝子組み換え食物が危険という事実はない」、「毎日2L以上の水を飲まなければないらないは嘘」などがあったのですが...)

信じられないのですが、Twitterやインスタグラムなどでは「ワクチン反対派」と言って、子どもにワクチンを受けさせずに(重症化する可能性の高い感染症についても)自然免疫で抗体をつけようというちょっと危ない人たちがいるようです。

私自身も親であるということから、「子どもワクチン(予防接種)を受けさせない親がいなくならないのはなぜだろうか」を日経サイエンスの記事を読みながら考察してみたいと思います。


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◇ワクチンは自閉症を引き起こす?

そもそもなぜワクチンを子どもに受けさせないのか?とワクチン反対派の人に聞くと、「副作用ガー」とか「危険な成分ガー」とか「予防効果が信じられない」などなど多くの反対する理由が飛び出てくるかも知れません。

一番有名なのは「ワクチンは自閉症と関連がある」という論文ではないでしょうか。

この論文、約20年前にLancet誌に掲載されたのですが、掲載以降20を超える研究がこの主張の誤りを指摘して、原論文は撤回に追い込まれています。

この研究攻防は「ワクチンが自閉症の原因」かどうかを検証するために、多くの研究費が費やされたこと。「自閉症を引き起こすかもしれない」、「引き起こさないかもしれない」という二つの論点に立って研究された、事実を示すのには非常に良い状況で研究が進められました。

現在、自閉症の子どもを持つ親の85%が原因はワクチンではないと考えているそうです。(15%の親はワクチンを疑っているようです)


◇科学的事実があるのにワクチンを接種させない親がいるのはなぜ?

「ワクチンと自閉症に関連がない」というのは事実なのです。それでも「ワクチンが自閉症に関わっている」と思う親がいる理由として、

・自閉症の根本原因がいまだによくわかっていないから
・ワクチンを悪役にしていれば心が安らぐから

だと記事では考察されています。

自閉症の根本原因がよくわかっていないので、とりあえず「ワクチンが悪いのでは?」としておけば人は安心するそうです。

さらに、遺伝性ではなくて「生まれてきてから起こること」であれば親としても気持ち的に安心できますよね。

生まれてきた時には我が子は正常で、ワクチンを接種したからおかしくなったのだ!とワクチンを悪者にしておけばなんとでも言えます。

これも科学的に研究されていて、自閉症の子では0歳児の時点で発話や、言語、行動、意思疎通レベルに違いが見られるそうです。


◇人は圧倒的な証拠を目の前にすると頑なになる

科学的根拠のもと、大部分の人たちが「事実」として認めている「ワクチンは自閉症を引き起こさない」ということなのですが...それを疑っている親がいなくなりません。

子どもに予防接種を受けさせないと、子どもを危険に晒すだけではなく、病気の流行を封じている「集団免疫」を弱らせてしまうので、周りも迷惑。

でも、こんな人がいなくならないのはなぜなんでしょう?

心理学の研究で「事実を否定する人たちは圧倒的な証拠を目の前にすると頑なになる」ということがわかっているそうです。

なので「事実だから!」「こんな証拠があるんだから!」と言っても、どんどん頑なになってしまって返って逆効果。

ワクチン反対派には「子どもを自閉症にしない」「子どもを危険なものから守る」という大義名分がるのではないかと思うので、その大事にしているポイントがワクチン接種にシフトするように訴えた方が良いのではないかと思います。

ワクチン接種は「子どもが大きな病気にならないように、子どもを守るため」のものだから。


最初はワクチン反対派の人たちに違和感があったのですが、同じ親になって「子どもを守らなくちゃ」という責任感の元、反対派になるのではないかと思いました。

同じ親なので「子どもを守る」という考え方は一緒なのです。

正しいことを「正しいのだ!」と主張していてもダメで、相手のことを考えて共感して妥協点を見つけるのが大事なんだなぁと感じました。

子どもを持つ親として、自分の子どもを守るためにもワクチン反対派はいなくなって欲しいと願うばかりです。


それでは、また!

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