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#20 日本工芸の粋 刀剣博物館(東京都墨田区)
刀剣博物館は日本刀を保存・公開し、日本刀文化の普及のため、日本美術刀剣保存協会の付属施設として1968年に開館した。元々は代々木にあったが、2018年に今日の墨田区横網に移転した。
日本刀の文化保存
戦後、進駐軍が日本刀を武器として没収、廃棄しようとする中、1948年に日本刀の保存継承に向けて日本美術刀剣保存協会が設立された。
戦前から刀剣学を樹立し研究していた本間順治氏が、日本刀の美術面、鉄の文化財の側面を強調し、進駐軍を説得していった功績が大きい。その後、認定制度(1948年)、重要指定制度(1958年)が整備されていった。
その製造方法の変遷
日本刀は「玉鋼」という純度の高い和鉄から作られる。この玉鋼は「たたら吹き」という伝統的技法で製鉄されるが「たたら吹き」の形になるには一千年にわたる試行錯誤があったという。古代出雲で生まれ、江戸時代には最盛期を迎えた。
明治以降、生産性の高い近代製鉄が導入されると「たたら吹き」は後退し、1925年には廃絶を迎えた。昭和になると軍刀製作のため「靖国たたら」として一時復活するも、終戦により再び途絶えた。
日本美術刀剣保存協会は、1951年に「靖国たたら」を引き継ぎ、「日刀保たたら」として復活させ、1952年には「玉鋼製造(たたら吹き)」が文化財保護法の選定保存技術に選定された。そして1958年には刀鍛治という職業が法的に認められたという。
ちなみに刀鍛冶は2017年時点で188人ほどらしい。
日本工芸の粋が詰まった日本刀
日本刀に関する「鉄の技術」だけでなく、拵、刀装具にも多くの日本の伝統工芸が活かされている。刀身を保護する鞘には漆で塗りを施し、柄には鮫皮を貼り、柄糸を巻いて、鍔を取り付ける。
また小柄、笄、目貫、縁頭など様々な付属品もある。様々な分野の職人の技が、一体となり、美しい日本刀は生まれている点を改めて学べた。